まず調査ありき、行動ログで生活を変えよう!


この記事の所要時間: 530秒 〜 630秒程度(3014文字)


現代人は忙しい。
いくつものプロジェクトを抱えながら、電話やメールに追われつつ、多数の会議や打ち合わせをこなし、これらの合間に膨大な量の書類をつくっている。もちろん、これと同時に一社会人として一家庭人として、普通に生活もしなくてはならない。日々の仕事や生活に追われる中、ふと「自分は、一体何をしているんだろう?」などと思うことも多いのはないだろうか。やるべきことをコントロールできない状態にもなり易く、そうなるとただただ目の前にあるタスクをこなすだけ。自分がこのような状態に陥っていると少しでも思うなら、そろそろ仕事や生活を見直す時期だ。
 
さて、仕事や生活を改めようとするとき、その場で思い付いたアイデアや人気のライフハックに手を出す人が多いが、それでは大きな成果は期待できない。何ごとも「まず調査ありき」。現状をしっかり把握してから、それに見合った対策を立てる必要がある。とは言え、いきなり自分の生活や仕事を「調査する」と決めても、どこから手を付けていいか迷う人がほとんどだろう。そこでここでは、まず手始めに行動ログを付けてみることをオススメしたい。
 

ストップウォッチ

credit: geralt via FindCC

 


行動を記録し、分類し、集計する


一口に行動ログと言っても何のことかはっきりしないが、ここではその日の行動をたんたんと記録した次のようなものを想像して欲しい。いつからいつまで何をやったのかを、ログとしてただただ書き留めていった記録だ。

 ●5:00〜5:30 朝食/ブラウジング
 ●5:30〜6:05 メールチェック
 ●6:05〜6:45 ○○社 打ち合わせ資料作成
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このようなログを付けると、記録を取っただけで満足してしまう人がいる。手段が目的になってしまうパターンだ。少しマシなのが、後からログを見返す人。しかし、漠然と行動ログを見て得られる気づきには限界がある。せっかく残した記録を有効活用するためには、ログにある行動を分類して集計することが必要にある。1日のうち仕事に使ったのが○○時間、生活に使ったのが○○時間、娯楽に使ったのが○○時間。このように集計をすることで1日の行動が具体的に把握できることになり、この状態になってこそ各時間の比較や目標設定が可能になるのだ。
 


日記式調査の行動分類を参考に!


次の課題は行動を分類すること。日々の行動を分類することは、簡単なようで実はかなり難しい。個々の行動はバラバラであり、どう分類していいのかなかなかわからないのだ。この部分が、行動ログを取っ付き難いのものにしている一つの原因だろう。
 
ここで役立つのが、既存のアンケート調査。アンケート調査の中には1日の行動を記録する日記式調査というものがあり、そこで使っている行動分類が参考になる。代表的なのは、総務省統計局の社会生活基本調査やNHK放送文化研究所の生活時間調査といったところ。社会生活基本調査を例にすれば、すべての行動を以下の20に分類している。

 1.睡眠
 2.身の回りの用事
 3.食事
 4.通勤・通学
 5.仕事
 6.学業
 7.家事
 8.介護・看護
 9.育児
 10.買い物
 11.移動(通勤・通学を除く)
 12.テレビ・ラジオ・新聞・雑誌
 13.休養・くつろぎ
 14.学習・自己啓発・訓練(学業以外)
 15.趣味・娯楽
 16.スポーツ
 17.ボランティア活動・社会参加活動
 18.交際・つきあい
 19.受診・治療
 20.その他

 
このような行動の分類は、誰にでもあてはまることを目指しているので、何とも大雑把な感じがするだろう。行動ログを取ろうとしている目的によっては、まったく役立たないように見えるかも知れない。しかしそれでも、何もない状態でゼロから考えるよりも既存のものを応用した方が手っ取り早い。社会生活基本調査や生活時間調査の分類を雛形にして、各自カスタマイズして使えば、比較的少ない作業で役立つ結果が得られるようになると思われる。
 


ログの記入方法で注意することは・・・


ログの記入方法は、各自の好みでいいだろう。自分の生活環境にあった記入方法を選べばいい。手書きメモでも、スマホのアプリでも、パソコン上のExcelファイルでも良し。自分にとって無理のない方法を選ぶことが、ログ記録の継続を後押しする。
 
あえて記入に際する注意を上げるなら、まず、あまり精度にこだわらない方がいいということだ。ログを記録するには、この時間からこの時間までAという行動、この時間からこの時間までBという行動とわけていく必要があるが、実際の行動はそんなに明確にわかれている訳ではない。一番細かいところで、せいぜい5分単位、10分単位で充分。行動分類もそうだが、精度にこだわるとログを記録するのが億劫になってしまい、元も子もなくなってしまう。
 
主行動と従行動の両方を記録するのも良い工夫だ。電車に乗りながらメールを打っている、ご飯を食べながらテレビを見ているなど。これらは両者を記入した方がいい。その上で、集計の際には、使用した時間を按分すればいいだろう。
 
また、これと関連するが、どうやって記録するかのルールもつくっておいた方がいい。5分以内の行動は前の行動に含めることにするとか、仕事のメールと私用のメールの両方を一度にチェックしたときに時間をどのように按分するかとか。考え出すとキリがないが、緩いものでもルールを考えた方が記録がスムーズにできるようになる。
 


行動ログの記入で、気づきが生まれる!


行動ログを記録、分類、集計したら、1日のうち何に何時間使っているかわかるようになる。1週間の平均をとってもいいし、平日と土日にわけて集計しても良いだろう。そこから、この行動に使う時間を○時間に増やす/減らすなどの目標を立てて、これを達成するのがオーソドックスなアプローチだ。
 
ただ、記録をしようとすると、書き留める際にいろいろなことを考える必要があり、ここから得られる気づきが大きい。例えば、仕事の時間を記録しようとすると、報告書の作成、会議や打ち合わせへの参加というメインの仕事の他に、調べものをしたり、関係者と調整をしたり、メールを打ったりするサブの作業が多いことに気づく。そこで、メインの作業とサブの作業をわけて記録、分類、集計するようにすると、いつしかサブの作業を先に片付けて、それらが済んだ状態でメインの仕事に取り掛かった方が効率がいいことに思い至ったりする。これは自分の場合であって、人によって違った気づきになるだろうが、記録によって新しい気づきが得られる可能性はかなり高いように思う。
 
仕事や生活を変えたいなら、思い付きで何かはじめる前に「まず、調査ありき」。自分の行動を記録することで、たくさんの気づきが得られるし、目標の管理も容易になる。あまり肩肘張らず、行動ログの記録をちょっと試してみたらいかがだろうか。

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