スマホでメール、小さな画面が心を狭くする?


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1782文字)


ちょっとした気分や環境の違いで、判断、行動、発言にブレが出るのが人間という生き物だ。自分をしっかり持っているつもりでいても、些細なことの影響でいろいろなところに歪みが生じる。以前のWIREDの記事によれば、判事による受刑者仮釈放決定のようなブレがあってはおかしい判断でも、疲労により大きな影響が出るらしい(参考:疲労や「死の意識」で脳が「保守化」:研究結果)。自分に引き寄せて考えても、朝のフレッシュな頭での判断と夜の疲れた頭での判断では、かなりの違いがありそうだ。
 
さて、気分や環境で人間の判断、行動、発言が変わることを認めるなら、スマートフォンから送るメールには注意した方がいいだろう。同じメールでも、パソコンなどから送るときより、環境変化の影響を受け易いからだ。スマホから送ったメールでは、判断や文章の質が大幅に低下しているかも知れない。
 

smartphone mail

credit: caribb via FindCC

 


小さな画面が心を狭くする?


スマートフォンからメールを送るときのことを考えてみよう。
まず、間違いないのはメールを打つ画面が小さいことだ。このため、一度に見ることができる文字の量が少なくなり、近視眼的な判断が多くなる。その場で自分が書いた文章くらい覚えているので影響は少なそうに思うが、見えている状態と見えてない状態の違いは大きい。小さな画面が心を狭くしているとでも言おうか。同じ人からのメールでも、スマートフォンからのものはいつもより内容が短絡的、直接的であり、これが相手の本意なのかと疑ってしまうことも多い。相手への配慮が足りず、顧客志向でないメールになっている例もしばしば見受けられる。
 
また、スマートフォンでメールを打つときは、パソコンなどでメールを打つときよりも顔が下を向いている。慌ただしい状況だったり、周囲がうるさかったりすることも多い。文章をつくるときには、文字の入力が多少億劫だとか、予測変換をより頻繁に使うとかの違いもある。同じことを伝えようとしたメールでも、これらの環境が違うことで、その内容が違ってしまうことはあり得るのではないだろうか。
 


スマホからのメールの特徴を確認するなら・・・


ここまで書いたのはあくまで自分の考えた仮説であり、本当のところはよくわからない。これを確認するには、パソコンからのメールとスマートフォンからのメールを大量に集めて比較することが必要になる。メールの本文を形態素解析で単語に分割して、各単語の出現頻度を両者で比較する訳だ。その中から各自どういう単語が多いかの特徴を見つけ出せばいい。例えば、パソコンからのメールは(かしこまった文章を書くので)敬語に属する単語が多いとか、スマートフォンからのメールは(直接的な表現が多いので)名詞の比率が高いとか。ただし、その意味付けは解釈次第でどうにでもなってしまうように思う。
 
ここでは、数値による裏付けはどなたか熱意のある方に任せて(?)、理屈で考える限り、環境によるメール文面の変化は起こり得るということに留めたい。人間なぞ案外不合理なもの。環境や気分次第で、メールの内容に影響が生じても不思議はないだろう。
 


両者の違いを理解してコントロール!


何も、スマートフォンでメールを打つことを否定したい訳ではない。メールの内容に違いが出る可能性を認めて、うまく使いわけた方がリスクが少ないと考えるだけだ。時間節約のために電車の中でスマートフォンからメールを打っても、そのメールの品質が劣化してしまえば作業の生産性は上がらない。パソコン、スマートフォンからのメールの違いを正しく理解して、うまくコントロールすることが大切になるだろう。
 
人間の行ないを極めて安定的だと考える人には受け入れ難いかも知れないが、人間の言動はかなりいい加減だ。気分や環境の違いによって、同じインプットでもまったく違ったアウトプットにたどり着く。このことを強く意識することで、今の時代になりより重要となっているコミュニケーションが、よりスムーズになると思うのだがいかがだろうか。

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