暗証番号の秘密 大きいことはいいことだ!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1626文字)


GIZMODEでカードの暗証番号4桁、最もよく使用されている番号トップ20という記事を見掛けた。2年前の記事の再掲載とは言え、暗証番号として「1234」を使っている人が10%を超える無残な結果となっている。暗証番号やパスワードの複雑化をすすめる啓蒙活動は盛んに行なわれているものの、捗々しい成果が上がったという話はまず聞かない。今でも大差ない状況なのではないだろうか。
 
おもしろいのは、暗証番号によく使われる数字に傾向があるところ。少し勘のいい人なら記事中の表を見た瞬間に気付くだろうが、ちょっとした秘密と言えるかも知れない。あの4桁の魔法の番号には、使われ易い数字、使われ難い数字があるようなのだ。
 

 


大きい数字より小さい数字が使われ易い


表 よく使われる暗証番号

さて、これが「よく使われる暗証番号」、「あまり使われない暗証番号」の上位ランキングだ(GIZMODEの記事にある図表を元に作成)。左右の表をざっと見較べて欲しい。左側の「よく使われる」の方に小さい数字が多く、右側の「あまり使われない」の方に大きい数字が多いような気がしないだろうか。
 

グラフ よく使われる暗証番号

 
各数字の登場回数をグラフにしてみるとこの通り。「よく使われる暗証番号」に小さい数字が多いことは一目瞭然だ。0〜2が、「よく使われる」では80文中41字、「あまり使われない」では12文字となる。一方、7〜9は「よく使われる」が14字に対して、「あまり使われない」が38字。このデータだけから考えるなら、暗証番号に小さい数字を使う傾向があるのは間違いない。
 
もちろん、記事の元となったデータをすべて分析してみなければ正確なところはわからない。とは言え、それは不可能。これだけ明快な傾向があるのだから、全データでも同じような傾向があると考えるのはあまり無理がない推測だと考えられる。つまり、暗証番号では大きい数字より小さい数字が使われ易い訳だ。
 


非合理な傾向をビジネスに!


「だからどうした?」と問われると言葉に詰まるが、人にいろいろな癖があることは改めて確認できた。あえて「小さい数字を使おう」とする人はいないだろうから、自分が好む番号、覚えやすい番号、何らかの関係がある番号を選ぼうとすると、自然と小さい数字の割合が大きくなってしまうのだろう。
 
ここで思い出すのが、行動経済学の考え方。「人の行動は経済的に非合理だが、その非合理には傾向性があるので、その特徴を分析することは役に立つ」という立脚点にある。数字の選び方にも傾向性があるなら、それを役に立てることはできるだろう。例えば、この秘密(?)を知っている人から自分の暗証番号を守るのなら、小さい数字を使わない方が少し安全になる。暗証番号では、「大きいことはいいことだ!」が成り立つのだ。
 
暗証番号の傾向がどこまで役に立つかはかなり怪しいが、最近どこかしこでデータが取られるようになっているのは事実。いろいろなビッグデータが公開されるようになると、こういう非合理な傾向がたくさん明らかになる可能性がある。そのとき、いち早く非合理な傾向を見付け出し、ビジネスに役立てることは有望だ。例えば、人は「水曜日によくバターを買う」とか、「駅の自動改札の3m前で歩く速度を落とす」とか、「価格の端数が7円のものをよく選ぶ」とか、・・・。これらの傾向はでっち上げだが、大きなデータがあれば、そこから「人の非合理」を見出だせるようになるだろう。
 
データから、人の癖に起因する非合理を見付けてそれビジネスのタネにする。
なかなか、おもしろいアプローチのように思うが、いかがだろうか。

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