自分撮り用「ナルシストの棒」は売れるのか?


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2088文字)


インドネシアで「ナルシストの棒」がはやっているらしい。「ナルシストの棒」とは、少し遠くから自分撮りをするためのグッズ。言葉で説明するより、画像を見ていただいた方が早いだろう。これを見れば、商品の提供する価値は一目瞭然だ。
 

selfie stick

credit: JacobAWalker via FindCC

 
「はやっている」とは書いたが、このグッズ、実はインターネットでちょっと調べてたくらいではよくわからない。いくつかのブログ記事は出てくるものの、「ナルシストの棒」が一般名称なのか商品名なのかさえはっきりしない状態だ。総合的(?)に判断して「はやっている」としたのは、いかにもありそうな話だったからに過ぎない。
 
世界中でセルフィー(自分撮り)がはやっているのは間違いないだろう。そして、何ごともマンネリになれば、その行為はだんだんとエスカレートしてくる。その結果、ちょっと変わったセルフィーが撮れるこのようなグッズが出てくるのは、当然といえば当然の成り行き。日本で「ナルシストの棒」が流行しても不思議はないように思う。
 


「ナルシストの棒」はただの長い棒!?


さて、この「ナルシストの棒」。その詳細ははっきりしないが、仕組みはとても簡単だ。要は、ただの長い棒で、その先にデジカメやスマホを固定する部品を付けただけ。端末の固定方法や棒の伸縮方式、グリップの持ち易さやファッション性など競うポイントはいくらでもありそうだが、決定的な差別化は難しいだろう。この棒の機能を満たすだけなら、物干し竿の先に大きな洗濯バサミでスマホを固定してもいいくらいだ。後は、機能を盛り込むか、価格を下げるか、そのバランスの判断となる。あまり価格が安いと、商品自体が信用されないことにも注意が必要だ。
 
ちなみに、「ナルシストの棒」は既に日本でも売っている。「ナルシストの棒」、「自分撮り用スティック」などで検索すると、数千円で購入できる商品がいくつもヒットする。どの商品もこれといった特徴はないが、「ナルシストの棒」として使ってみることはできそうだ。興味がある人は、買って試してみると良い。
 


ターゲットは学生?


人はみんな自分が大好き。程度の差こそあれ、これは間違いないだろう。だからこそ、セルフィーが世界中でブームになる。そして、一工夫したセルフィーを撮ることで、更に目立ちたいという人も少なからずいる筈だ。「ナルシストの棒」はこのニーズに応える商品と言えよう。
 
ポイントは、自分撮りしている姿を晒すことへの抵抗だろうか。「ナルシストの棒」を使っての自分撮りはかなり勇気が必要。これを人前で平然と行なう人をターゲットにしなくては、売れるものも売れない。自分好きが過ぎたり、プライドが高かったりして、「ナルシストの棒」を使うのを恥ずかしいと思う人たちをターゲットとするのは難しい訳だ。
 
安直だが、ターゲットは学生だろうか。
人前で、恥ずかしげもなく長い棒を使って自分撮りをできるのは、若い人ならではの特権だろう。その中でも、学生たちは何かと集団で動くのでチャンス大という見立てだ。みんなで記念撮影をするときに、シャッターを押す人だけ写らないのは何とも残念。「ナルシストの棒」を使えばこれを回避できる。こういうシチュエーションをいくつか具体化して提示すれば、使ってみたいという人は増えそうだ。
 
観光地など、みんなで記念撮影がしたくなる場所で、「ナルシストの棒」を無料貸出しすればきっかけになるかも知れない。そのための、専用スポットをつくってもいい。「ナルシストの棒」を、一度使ったらやみつきになる商品だと信じるなら、こんなアプローチも考えられる。
 


後は売り方次第


直感で言えば、「ナルシストの棒」はニッチな市場向きだと思われる。かなりおもしろい商品だが、市場の広がりは想像し難い。今はインターネット通販も盛んなので、この手の商品は売り易い。コンセプトを明確にあらわすネーミングをひねり出し、ターゲットに合わせたアピールをすれば一定の成功はあり得るように思う。つまり、後は売り方次第という訳だ。まさに、マーケティング力が試される商品と言えよう。メーカーや販売業者の奮闘に期待したい。
 
さて、今回は「楽しくなければビジネスじゃない!」の精神で「ナルシストの棒」についてあれこれ考えたが、これはあくまで机上の空論。実際のビジネスをするにあたっては、ニーズの調査を行ない、商品を売るための仮説をいくつも考え、それらを磨き上げて検証し、更に実地で試すことが必要になる。とは言え、こういう頭の体操を繰り返すことは、ビジネスを考える力を鍛えることにつながる。ぜひ、時間があるときにこのような遊びを試してみて欲しいものだ。そして、「ナルシストの棒」は考えるだけの価値がある商品だと思われる。

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