ポッキーの日より「光棍節」!


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11月11日は、ご存じ「ポッキーの日」(正しくは「ポッキー&プリッツの日」)。1が6つ並ぶ平成11年11月11日にはじまった比較的新しい記念日ながら、今ではすっかり定着している。江崎グリコによる大量のテレビCMと記念イベント、そしてインターネットと店頭での盛り上がりは、もはや恒例の年中行事と言ってもいいくらい。普段はポッキーを食べない人も1年に1度はポッキーのことを思い出すので、直接的な売上高向上だけでなくブランド力強化にもつながっている。消費者をうまく巻き込んだ「記念日マーケティング」の成功事例と言っていいだろう。
 
11月11日は、お隣の中国でも記念日で大盛り上がりらしい。「光棍節(シングルズデー)」と言って、ネット通販各社が割引セールを展開する。たった5年前にはじまったイベントなのに、今年の売上高は1兆円(571億元)となったそうだ。何とも景気のいい話ではないか。これも、「記念日マーケティング」の成功事例と言えそうだ(参考:中国アリババの恒例セール、1日の取引額が1兆円突破|Reuters)。
 

 


「値引き」がポイント!


「光棍節」はそもそも自然発生で広がった記念日のようだ。数字の1と独身者を結び付けて、「シングルズデー」としたらしい。「光棍(グアングゥン)」はそもそも男性の独身者のことで、そのお祭りということになる。この記念日にアリババのオンライン商店街「天猫(Tモール)」に参加している企業が乗っかって、割引セールをするようになったらしい。5年前に27社からはじまって、いまでは2万7000社が参加しているという。
 
新たな記念日を使った売上高向上キャンペーンはどこでもあるが、光棍節のポイントは「値引き」にあるだろう。要は、利用者にも実利がある。その上、中核となる場所(「天猫(Tモール)」)があるので、誰もが簡単にひと噛みできる。この組み合わせで1兆円という売上高を叩き出している訳だ。
 


お客は、きっかけ待ち?


最近の市場は、全体的に成熟しているように思われる。ほとんどのジャンルに多数の商品があり、どの商品も完成度が高く、価格も充分に手頃。それなら消費が伸びてもいいようだが、こういった状況の蔓延が却って仇となっている。「買う商品を選ぶのが大変」、「別に今すぐ買う必要はない」、「少し待てばもっといい消費が出るかも」、・・・。新しいモノを買わなくても普段の生活に支障はなく、「買わない理由」はないものの「買う理由」もない「待ち」の状態。そこに景気低迷と将来不安が絡んで、何とも行き詰まった市場環境になっている。
 
このような状況で、光棍節のような記念日はお客に消費のきっかけを与えるだろう。「いつもより安いので」、「せっかくだから」といった気持ちが、財布の紐をゆるめるのだ。記念日は食傷気味だが、実利があればまた別となる。
 
日本の記念日マーケティングは、イメージを重視したものが多いように思う。一通りいろいろなことをやり尽くしたため、技工に富んで完成度も高いが、どうにも間接的だ。そのような中で、光棍節のような直接的な記念日マーケティングは却って新鮮に映るだろう。日本でも、やってみたらどうだろうか。案外、いいかも知れない。

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