出生数100万人のポテンシャルは?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1655文字)


2014年の出生数は100万人を割る可能性がある。
先日の記事ではこう書いたものの、「出生数100万人」がどのくらいの数値なのかピンと来ない人も多いだろう。もちろん、100万人は100万人なのだが、こういう大きな数値というのはしっかりと捉え難いものだ。100万人と聞いて何となくわかったつもりになっても、数値のリアルな感触がなかなか掴めない。
 
では、「出生数100万人」はどのくらいの大きさの数値なのだろうか。
今回は、2つの方法でこの数値の持つ意味を説明してみる。
 

 


日本がもし100人の村だったら・・・


人口構成でイメージしたいなら、「100人の村だったら」の説明が直感に合うだろう。2013年10月1日現在の『人口推計』(総務省統計局)を元データにして、1年後の人口を考える。すべての人が死亡せずにひとつ歳をとり、新たに100万人の0歳が加わったと仮定して試算した。人口の数値は、日本人人口を使っている。
 

日本がもし100人の村だったら、
0歳児は0.8人です。

0歳から14歳の子供は12.7人、
15歳から64歳の生産年齢は60.5人、
65歳以上の老人は26.8人です。

生産年齢の人の内訳は、
15歳から19歳が4.7人、
20歳から34歳が15.6人、
35歳から49歳が21.0人、
50歳から64歳が19.2人となります。

 
100人の村で0歳児はたったの0.8人。1人にも満たない。0歳から14歳までを足し合わせた「子供」でも12.7人だ。「老人」の多さも含め、人口構成のいびつさがよくわかっていただけるだろう。
 


「出生数100万人」が続いたら・・・


では、「出生数100万人」を人口に換算したらどうなるだろうか。「人生80年」と考えて単純に掛け合わせれば8000万人になるが、さすがに雑過ぎ。そこで、もう少し丁寧に試算してみた。
 
使用するのは2013年の簡易生命表「出生数100万人」に生命表からわかる各年齢の1年間の死亡率を掛け合わせることで、「出生数100万人」がこのまま続いた場合の人口を算出した。0歳の男女比は、2013年10月1日現在の『人口推計』の日本人人口0歳にならっている。
 
「出生数100万人」を起点にした人口は8283万人となる。現在の人口の約3分の2だ。もちろん、「出生数100万人」が続けば子供をつくる世代の人口が減るので、実際にこうはならない。しかし、「出生数100万人」の持つポテンシャルをあらわすには、単純で作為の少ない計算方法だと考えられる。
 

出生数100万人のポテンシャル

 


データを伝える!


数値はその意味するところがリアルに伝わってこそ役に立つ。解釈が難しい数値だと、そのデータを活用しようとしても使う人の心に響かない。数字の表面を追うだけの、上滑りのデータ活用になってしまう。役立つデータをつくっただけでは不充分。データをしっかり伝えて、その先にいる人を動かしてこそのデータ活用だ。
 
上滑りのデータ活用を避けるために必要なのは、マーケティングの発想となる。お客さまであるデータの利用者に、データの価値を伝えて、興味を持たせ、実際に使って満足してもらう。そのために、お客様の立場で商品=データを考える。まさにマーケティング活動そのものと言えるだろう。
 
そして、お客さまに伝わり難い数値のひとつが大きい数値となる。「出生数100万人」のような数値は、ふだん扱う数値とあまりに桁違いなため、そのままでは多くのデータ利用者に伝わらない。いろいろな方法で数値を噛み砕き、「データを伝える」ようにすることが大切だ。

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