SNSで「最近どう?」 パルスサーベイの可能性


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「パルスサーベイ」というものがあるらしい。直訳すれば、「鼓動調査」や「感情調査」といったところ。会社や上司が、従業員や部下に対して定期的に短い質問を行なう調査だという。その質問は、「最近どう?」、「上司はきちんと話を聞いてくれる?」、「社内パーティのピザのトッピングは何がいい?」など。アメリカの企業で行なわれているもので、こういった質問を通して対象者の心理状態を知ることがその目的のようだ。
 

 
さて、このパルスサーベイ。実は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(「仕事はどう?」―職場に広がる「パルスサーベイ」)で知ったばかりで、ただの受け売りだ。何ら、その詳細を知っている訳ではない。しかしそれでも、パルスサーベイがおもしろい調査アイデアなのは伝わってくる。
 


心理状態をリアルタイムに把握!


当然ながら、組織の運営は難しい。何人もの人たちを束ねて、何かを成し遂げるのは並大抵のことでない。大企業であろうと、中小企業であろうと、はたまた友人同士の集まりであろうと、そこに変わりはないだろう。
 
組織の運営がなぜ難しいかといえば、それはいろいろ個性の違う人たちが集まるため。もちろん、違ったタイプの人間が集まってこそ組織は価値を生み出せるのだが、そのぶん衝突も起きる。組織に参加する多種多様な人たちをうまくコントロールすることは重要であり、上に立つ者の大きな役割だ。
 
そして、人がそもそも持っている個性に加えて、そのときどきの心理状態も組織の運営に影響を及ぼす。単純に言えば、仕事が好調でノッている人は強気の発言をし易いし、嫌なことがあって気分が落ち込んでいる人に新しい仕事を振ってもうまくいかない。この心理状態の部分を、よりリアルタイムに近い状態で把握するのがパルスサーベイの目的だ。年1回の従業員満足度調査よりも、そのときどきの気分がわかるのは間違いないだろう。
 


朝礼や雑談を調査システムで代替する?


これまで従業員の気分の現状把握は職場のコミュニケーションの中で行なわれていた。挨拶のトーンやちょっとした顔の表情、日々の雑談やランチ時の情報交換など。朝礼も、従業員の気分の現状把握に役立っている。このような心理状態の把握は、昔から行なわれていることだし、これからも続くだろう。組織がうまく行くと行かないでは、出せる成果が大きく違ってくるからだ。
 
パルスサーベイの発想は、この現状把握を調査システムとして行なうことだ。属人性を排除して定期的な質問をするようにすれば、気分のデータ化も簡単にできる。従業員が調査に慣れて回答に歪みが生じる心配はあるものの、従業員一人一人のやる気や悩みの程度が数値化できることの効果は計り知れないだろう。これまでの把握の仕方よりも、ずっと詳細で客観的だからだ。職場環境が大きく変わってくる中、いつまでも人的コミュニケーションだけに頼るのは無理がある。このような調査システムを、補完的に組み合わせて使うことは必然ではないだろうか。
 
具体的な調査方法は、それこそSNS経由でも良いだろう。リラックスしして答えた方が、本音が出易いからだ。朝、パソコンを付けたら、まず3つ質問が出るスタイルでも良いかも知れない。いずれにせよ、試行錯誤を繰り返して調査システムをつくり上げることになる。その細かな設計は目的次第だが、従業員の気分をデータで客観的に把握することの価値は変わらないだろう。パルスサーベイの着想をうまく活用できれば、組織運営が多少はやり易くなる筈。パルスサーベイはまだまだこれからの手法だが、アイデアとしてはかなりオススメだ。

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