「Wi-Fi」って何だ?


この記事の所要時間: 330秒 〜 430秒程度(1978文字)


「Wi-Fi」は難しい。
毎日のように接する用語でありながら、言葉の輪郭がぼんやりしているとでも言おうか。「Wi-Fi」についての会話は、途中で何だか食い違い、曖昧に終わってしまうことがしばしばある。自分も含めて、「Wi-Fi」のことをよくわかっていない人が多いのだろう。
 

 


「Wi-Fi」がいっぱい


さて、「Wi-Fi」はそもそも無線LANの規格の一名称。米Wi-Fi Allianceによって、デバイス間の相互接続が確認された機器に「Wi-Fi」ロゴの使用が認められている。無線LANが出始めたころ、つながる無線LANとつながらない無線LANがあって困るため、統一規格がつくられたのだ。乱暴に例えれば、ビデオテープにおける「VHS」のような存在だと思っていただければいいだろう。対応機器同士は確実につながる「Wi-Fi」規格が登場したことにより、無線LANが一気に広まった。
 
この説明は定義的なものなので、あまりピンとこない人もいるだろう。直感的には、有線だったLANケーブルが無線に置き換わったと考えるとイメージし易い。「Wi-Fi」がそもそも担っている役割は、LANケーブルの代替でしかないのだ。
 
「Wi-Fi」規格が普及した結果、現在ではどこかしこに「Wi-Fi」が溢れている。例えば、自分の周辺の「Wi-Fi」環境を整理すると次の図のようになる。

Wi-Fi環境

図中の用語の一部は一般的な言葉遣いではないが、自分なりにわかり易さを優先した。プロバイダー代わりに使っているのが契約Wi-Fi。普段は、これを使ってインターネットにつないでいる。その契約Wi-Fiへの入口になるWi-Fiルーターに、各機器をこれまたWi-Fiで接続。接続している機器間でデータのやり取りがあるので(例えば、パソコンとプリンター)、この部分はWi-Fi LANと言ってもいいだろう。ルーターの調子が悪いときは、スマートフォンをルーター代わりにしてテザリングでインターネットに接続する。このとき、パソコンとスマートフォンはルーターを介せずWi-Fiで直接つながっているようだ。外出先などでは、パソコンやスマートフォンを無料Wi-Fi(公衆無線LAN)につなぐこともある。上の図を説明するならこんなところだ。
 
さて、いかがだろう。実は、これでもかなりの省略をしている。それでなお且つ、これだけいっぱいの「Wi-Fi」に囲まれて生活している訳だ。そして、当然ながら「Wi-Fi」での接続は目に見えない。「Wi-Fi」が捉え難くいのは、そのせいもあるだろう。
 


何でも「Wi-Fi」!?


「Wi-Fi」の話が通じ難いのは、「Wi-Fi」に関連するさまざまなモノをどれも「Wi-Fi」と呼ぶためだ。LANケーブルの代わりとして使っている「Wi-Fi」は上の図で言えば、Wi-Fi接続の部分。ところが、契約Wi-Fiと無料Wi-Fiも一口に「Wi-Fi」と言ってしまう。その上、契約Wi-Fiと無料Wi-Fiの混同がよくある。「外国人観光客向けにWi-Fiの整備が求められる」と言うときの「Wi-Fi」は無料Wi-Fi、誰かに「どこのWi-Fi使っているの?」と聞くときの「Wi-Fi」は多くの場合は「契約Wi-Fi」(正確には、WiMaxなどの別規格のことも多い)。この2つをしっかり使いわけないことで話がわかり難くなっている。
 
更に、Wi-Fiルーターのことを「このWi-Fi」と言ったり、Wi-Fiの接続状態のことを示して「ここはWi-Fiが弱い」と言ったり、Wi-Fi対応機器について「これにはWi-Fiが入っている」と言ったりする。関連技術を、何でもかんでも「Wi-Fi」と省略するため、訳がわからなくなるのだ。
 


言葉の混用を整理しよう!


もちろん、普通に会話する場合、ただ「Wi-Fi」というだけで何となくわかってしまうことも多い。また、何でも「Wi-Fi」と呼ぶことを「間違っている」と指摘したところで、多くの人の言葉遣いを改めることはできない。しかしそれでも、言葉の混用を整理すれば話が通じ易くなる。上のように図にまとめておけば、「Wi-Fi」で接続できないときのトラブルシューティングにも役に立つ筈だ。
 
言葉の定義にナーバスになっても仕方ないが、混乱しているときには言葉の整理が必要だ。上の図を参考に、自分の周りの「Wi-Fi」環境を整理してみたらいかがだろうか。

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