スマートフォンは薄ければ薄いほど良い!?


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1403文字)


厚さ約7mmのiPhone 6が発売になったことをきっかけに、スマートフォンの厚さに着目した記事が多くなったように感じる。どの機種が一番薄いのか、どこまで薄くなるのか、次に最薄記録を更新するのはどのメーカーなのか、・・・などなど。スマートフォンの競争軸が商品と機能の成熟によりはっきりしなくなる中、古くて新しい争点として「薄さ」が再び注目を集めているようだ。今後、各メーカーがあの手この手を使って薄さを競うようになるだろう。
 

iphone

credit: helloolly via FindCC

 
とは言え、「薄さ」の競争には嫌な予感しかしない。またもや、「手段の目的化」になってしまうように思うのだ。「使い易さ」という本来の目的を忘れて、手段である「薄さ」だけを競う構図になるのは目に見えている。どうせ競争するのなら、ユーザーが丁度いいと感じる「薄さ」を目指して競い合って欲しいものだ。
 


薄過ぎると使い難い!?


毎日持ち運びするような電子機器は、小ささ、薄さなどが競争軸になることが多い。鞄やポケットの中に入れるとき、少しでも邪魔にならないものが喜ばれると考えるのだろう。もちろん、商品の初期の段階では、小ささや薄さが大切なのは間違いない。はじめのうちは、不便を感じるほどの大きさや厚さなことも少なくないからだ。
 
ただし、小ささ、薄さには限度がある。あまり小さいと大きな手で使い難いし、薄過ぎれば持ったときにしっくり来ない。iPhone 6が出たばかりのころ話題になったように、あまり薄ければお尻のポケットに入れたときに曲がってしまうかも知れない。薄さと使い易さの関係をイメージで図示するとこんな感じではないだろうか。何ごとも、過ぎたるは及ばざるが如しなのだ。
 

「薄さ」と「使い易さ」の関係のイメージ図

 
大切なのは、ユーザーの使い易さ向上が目的という点だ。多くのモノの場合、最初比例していたように見えるある特徴とある特徴の関係(例えば「薄さ」と「使い易さ」の関係)は、あるところでなだらかになり、行き過ぎれば逆に作用することになる。ここを見極めないと、手段が目的化した状態になってしまう。上の図で、使い易さのピークを超えた薄さは「無駄な努力」となり、ユーザーの使い勝手を邪魔することになる訳だ。
 


その薄さはユーザーを利するのか?


商品のある競争軸に注目が集まっているときは、その競争軸が提供しているベネフィットを考えるといい。多くの場合、目の前にある競争軸は手段に過ぎず、目的は別なところにあるからだ。つまり、薄さだけでなく、使い易さに注意を払う一歩引いた視線を持つことが重要。かなり当たり前のことだが、渦中にいるとこれを見落とすパターンが多い。
 
スマートフォンの薄さの競争がどうなるかはわからないが、薄ければ薄いほど使い易いということはないだろう。どこかで薄さの競争に歯止めが掛かるか、スマートフォン自体が全く別の商品に置き換わるかだ。いずれにせよ、ユーザーに与えるベネフィットを考えて、近視眼に陥らないことが必要になる。更なる薄さを提供することがユーザーを利するのか。手段の目的化を避けたいたら、この問いかけを常に忘れてはならない。

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