比率のタイプに気を付けよう!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1597文字)


ある数値を別のある数値で割ることによって求められるのが「比率」。多くの人が日々使っている比率に、実はいくつかのタイプがあることをご存知だろうか。同じように割り算で求められる比率にも、分母と分子の関係性によってタイプがあるのだ。
 
『統計学でリスクと向き合う 新版』(宮川公男/東洋経済新報社)によれば、比率の主要な種類は次の4つだと言う。

 (1)構成比率
 (2)対立比率
 (3)発生比率
 (4)指数

これが唯一無二のわけ方ではないだろうが、この分類を意識できると数値の読み方が違ってくる。どれに当てはまるかを自然に考えることで、比率の「意味」がよりはっきりしてくるのだ。数多くの比率が世にあふれる今の時代、このような分類を知っていることがデータを活用する基礎力となるだろう。そこで今回は、この分類を紹介しようと思う。
 

division

credit: m o u s e via FindCC

 


4つの比率を図示すると・・・


まずは、『統計学でリスクと向き合う 新版』を参考にしつつ、独自の解釈も入れて各比率の意味を説明する。
 
●構成比率
構成比率は「全体の中である特性を持つものの割合を示すもの」。多くの人が、比率と聞いて一番はじめに思い浮かべるこの比率だろう。日本の総人口に占める男性の割合や、総資本中の自己資本の割合を示す自己資本比率などがこれに当たる。全体とその部分の関係であり、部分をすべて集めれば100%になるのが特徴だ。
 
●対立比率
対立比率は「ある二つの量を対比させて相対的な大小関係や高低関係などを見ようとするもの」。例えば、面積と人口の対比である人口密度や、負債と自己資本の対比である負債比率が対立比率。2つの数値を対比するだけなので構成比率と較べて自由につくれるが、そのぶん意味の取り難い比率をつくってしまう可能性もある。
 
●発生比率
発生比率は「分子と分母の間に、分子が分母から発生するという関係があるもの」で、合計特殊出生率や総資本経常利益率がこれに該当する。2数の対比なので対立比率に含めてもいいように思うが、分子と分母の間に「発生」の関係があるとないでは数値の持つ意味合いが大きく違う。ただの大小関係ではなく因果のある2つの数値の関係なので、うまくつくれれば比率が発するメッセージが強い。
 
●指数
指数は「同一量の時間的変化あるいは空間的差異を見るために、基準時(地点)の量に対する比較時(地点)の量の比率をとったもの」。基準を決めて、比較をするところがポイントとなる。物価指数などがその典型だ。
 
これらの「比率」の種類を自分なりに図示してみると、次の通り。違いがわかっていただけるだろうか。

「比率」の種類

 


データ活用は比率の意味から・・・


何らかの方法で取得した生のデータは、そのままでは意味がわかり難いことも多い。そのとき、いろいろと比率をつくるが、そこにはいろいろな種類がある。比率の出来によっては、そこに違和感を覚えることもあるだろう。そして、そんなときには比率のタイプに気を付けるといい。構成比率と対立比率を無意識に混ぜて扱っていたり、意味が取れない対立比率をつくっていたりすることが、違和感の原因であることも少なくないからだ。
 
いざデータ活用となると、張り切っていろいろな比率をつくってしまい、数値に使われているような状態になることもしばしば見受けられる。データから比率をつくっても、その意味付けがしっかりされていなければこのような状態になる。比率の意味を深く考えるためにも、この比率のタイプを意識して欲しいものだ。

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