コンビニの冷蔵ケースにジャンル表示は必要?


この記事の所要時間: 330秒 〜 430秒程度(1959文字)


先日のこと。とあるコンビニで、冷蔵ケースの上に商品のジャンル名が表示してあるのに気づいた。「弁当」、「サンドイッチ」、「日配食品」、「惣菜」、・・・。他のコンビニチェーンでは見掛けない表示への第一感は「お客に優しい」。何がどこにあるかがわかれば、お客は買い物をし易くなる筈だ。
 
ただし、こういう表示が本当に必要なのかという疑問も感じる。何せ、他のコンビニは同様のことをしていない。真似が難しいということはないので、そこには何か理由があるのだろう。ジャンル表示は一見「お客に優しい」ようだが、実は必要ないのかも知れない。
 

 


「お客に優しい」のは確かでも・・・


こういう気づきがあったときにまず考えるのは、そのターゲットが誰かということ。どのようなお客のためにしているのかを見極めないと、その評価はチグハグになる。
 
今回の場合、その店をよく利用するお客には、ジャンル表示があろうとなかろうとあまり関係がない。どこに何があるかは、大体わかっているからだ。商品ジャンルの表示は、その店にはじめて来るお客をターゲットにしていると考えていいだろう。
 
更に言えば、その店にはじめて来るお客も、大して迷わない可能性が高い。コンビニのレイアウトはどこも似ているし、弁当や惣菜が並んでいる冷蔵ケースの前に来れば、どこに何があるかは一目瞭然だ。商品のジャンル名をいちいち表示しなくても、欲しいものがどこにあるかはすぐわかる。そう考えると、ジャンル表示が「お客に優しい」のは確かでも、その効果は限られるように思われる。
 


店内表示が多過ぎるとわかり難い!


ジャンル表示があってもなくても大差ないなら、表示は少しでも多い方が「お客に優しい」と考えるのは早計だ。店内のさまざまな表示は多過ぎると邪魔になる。人間が一度に処理できる情報量には限界があるので、何でも表示が多ければいいというものではないのだ。つまり、「お客に優しい」を目指して注意書きをただただ増やせば、逆に役に立たなくなる可能性もあるということ。表示をつくるときには、トータルの情報量をコントロールする必要がある。例えば、別のコンビニチェーンでは、「お酒」と「冷凍食品」だけにジャンル表示があった。何でもかんでも表示すればいいとうものではないのだ。
 
また、「日配食品」という表示が気になった。日配食品とは、牛乳、豆腐、納豆など生鮮食品ではないもののあまり日持ちしないもののこと。ジャンル名としては間違っていないが、業者によって含める範囲が違うし、何せ内輪の言葉だ。たとえお客が知ってしていたとしても、こちらから伝える言葉ではない。「お客に優しい」を目指すなら、言葉選びに充分な配慮をすることが欠かせない。
 


ジャンル表示は売上に優しくない?


見方を変えると、ジャンル表示をしてないコンビニは「お客に優しい」より別のことを優先させている可能性もある。極端な話、どこに何があるかわからなければ、お客が店内を歩く距離は長くなる。滞在時間も多少は増えるだろう。そうすれば、距離や時間の増加に比例して「売上が増える」と考えることもできる。ジャンル表示はお客に優しくても、売上に優しくない可能性があるのだ。
 
もちろん、これはかなり穿った見方だが、チェーンによって目指すものが違うこと自体は極めて自然。商品ジャンルの表示が浸透しないのは、売上にマイナスの影響があるためであっても不思議はない。
 


後はテストするのみ


さて、あれこれ書いたが、商品ジャンルの表示に効果があるかは、やってみなければわからない。事業にプラスになる仮説を出したら、後はテストするのみ。仮説に対する一定の考察は必要なものの、会議でいくら議論しても結論が出ないものは出ない。
 
テストで検証するときにポイントとなるのは、その成果をどう測るか決めておくこととなる。特に、使用する指標とテスト期間を決定することが大切だ。これをはっきりさせておかないと、状況が悪くても「この指標で見れば良い」、「もう少し待てば好転するかも」など話が混乱することになってしまう。杓子定規で優劣を決める方法には限界もあるが、基準がなければ話にならない。
 
やれることをすべてやるのは、正しいようで正しくない。何ごとも取捨選択が必要だ。そのとき、議論も大切だが、究極的にはテストが一番。テストを使った仮説の取捨選択をオススメしたい。

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