「閉店セール」と自然淘汰


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1440文字)


年度末のせいもあってか、街を歩いていると「閉店のお知らせ」をよく見掛ける。長く続くビジネスの終わりには悲しいものもあるが、何ごとも始まりがあれば終わりがある。新たにオープンする店に期待することが、せめてものはなむけというものだろう。
 
さて、数か月前に「閉店セール」が大いに話題になった。「閉店セール」を掲げながら、実際には閉店しない店への問題提起だ。確かにその通りと思う反面、「別にいいじゃん」という感もある。「閉店セール」が悪いものなら、自然淘汰されると考えるからだ。
 

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credit: Tom Hickmore via FindCC

 


いまどきの消費者は「うぶ」じゃない


「閉店セール」とは、言うまでもなく閉店に伴うセールのこと。個人店であれチェーン店であれ、閉店のときに在庫を残したくないため、大幅な値引きをしてでも商品を現金化しようとする。もちろん「閉店セール」に厳密な定義などないが、一般の消費者でもこのあたりは想像がつく。このため、「安い」、「掘り出し物がある」などと思ったお客が集まることになる。
 
そして、このようなお客を狙って、年がら年中「閉店セール」をやっている店があるのは確か。普通に構えた店舗もあれば、レンタルスペース等で入れ替わり立ち代わり「閉店セール」をやっている場所もある。この閉店しない「閉店セール」が景品表示法の「不当表示」に当たる可能性があるのはわかるが、お客の方も「すべてお見通し」という印象が強い。「閉店セール」をしているからといって、その店が必ず閉店すると思っている程、いまどきの消費者は「うぶ」じゃないだろう。
 
法律は遵守する必要があるし、違反を犯したものは裁かれて当然。しかしながら、「閉店セール」を数あるセールの一形態と見る余裕もあっていいように思う。怪しいと言い出したら、「決算セール」だって、「在庫処分セール」だって疑わしい。「お客さま感謝セール」にも、「本当に感謝してる?」というツッコミは入れられよう。少し見渡せば、ラベルと実際の不一致など、そこら中にごまんとある。「閉店セール」に何の問題もないとは言わないが、「別にいいじゃん」と思うのはそのためだ。
 


ときには、自然淘汰を待つことも・・・


最近は、何かというと商売のやり方にケチがつくが、キリがないという感じもしている。完全な法律違反やお客に危害を加えるレベルは別にして、「あれが嫌だ」、「これが気に入らない」をいちいち口にしても、費用対効果が悪過ぎるだろう。
 
商売は、見方によっては「売りましょう」、「買いましょう」の世界。ある店が気に入らなければ、次からそこで買わなければ良いだけだ。そこに意見をしても改善される可能性は低く、別の店を探した方が手っ取り早い。腹の虫がおさまらないかも知れないが、苦情を伝えてもほとんど効果が期待できないことはわかっていた方がいいだろう。
 
このとき、「悪い店はそうでない店に比べて早く潰れる」と気を休めるのが得策だ。閉店しない「閉店セール」だって、長く続いている店には何らかの魅力があるのだろう。スピードを別にすれば、悪い店はお客に嫌われて淘汰される筈。ときには、自然淘汰を待って、スルーすることも大切なように思っている。

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