1.01の法則 とかくに人の世は複利計算


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1759文字)


「1.01の法則」、「0.99の法則」をご存知だろうか。

 ●1.01の法則 1.01 ^ 365 = 37.8
  こつこつ努力すれば、やがて大きな力となります。

 ●0.99の法則 0.99 ^ 365 = 0.03
  逆に、少しずつさぼれば、やがて力がなくなります。

毎日の「+0.01」や「-0.01」が、1年間の継続で37.8と0.03の違いとなり、その差は1000倍以上。このことから、日々の努力や成長の大切さを説いているのだろう。出典は楽天の三木谷浩史社長の著書とのことだ(参考:『1.01』と『0.99』の法則が非常に深いと話題に|秒刊SUNDAY)。
 
この法則が好みに合うかは人それぞれとして、これを見てつくづく考えさせられるのが「複利」のパワー。日々の積み重ねが1年で37.8倍や0.03倍になるのは「複利」だからだ。「単利」だったらこうはならない。とかくに人の世は複利計算なのかも知れない。
 

rates

credit: PDPhotos via FindCC

 


単利は「足し算」、複利は「掛け算」


「複利」は、そもそも投資などで使われる言葉で、元金から生じた利子を次回の元金に組み入れるやり方のこと。1年目の元金が100万円で年利が5%のとき、2年目の元金を105万円として、この金額に利子(5,250円)が付くようにする。これに対して「単利」では、年が終わった時点で利子だけ受け取ってしまい、2年目以降も元金100万円に利子(5,000円)が付くようになる。
 
この違いは大きく、「元金100万円、年利5%、期間10年」でお金を預けたときの受け取り総額は、「複利」の場合が100万円 × 1.05^10 = 約162.8万円、「単利」が100万円 + 100万円 × 0.05 × 10 = 150万円となる。複利と単利の違いは約12.8万円となり、これは元金の10%以上だ。複利では、それまでの積み重ねがその後に生きるため、最終的にあらわれる効果が大きくなる。
 
1.01の法則も単利の仕組みで計算すれば、1 + 1 × 0.01 × 365 = 4.65となり、複利の37.8には遠く及ばない。数式から見てもわかる通り、単利は「足し算」、複利は「掛け算」の仕組み。そして、この違いが大きい。複利は「掛け算」なので、正しく指数関数的に効果があらわれるのだ。
 


新規ユーザー数急増の陰に「複利」アリ


10年間で売上高を2倍にしたいとき、1年あたりの伸び率はどの程度を目標にしたらいいだろうか。「足し算」で考えると、伸び幅100% ÷ 10 = 10%となるが、これは正しくない。売上高の伸びも「掛け算」なので、2の10乗根を求める必要があるのだ。2の10乗根は1.0717・・・なので、目標とすべき伸び率は約7.2%となる。
 
ウェブサービスのユーザー数が急激に伸びるのも、「複利」が効いているからだ。新規ユーザーが現ユーザー数の10%ずつ伸びるとすると、これが複利で伸びる。その上、インターネットは動きが早いので、1サイクルが1か月程度で回ったりする。こうなると1年間では、1.1 ^ 12 = 3.1384・・・・。小さなサービスが急成長するのには、陰にこの「複利」のパワーが隠されているのだ。
 


人の世は「複利」で考えよう!


現実の事象では、途中での利子の払い戻しはないので、「複利」となることが多い。しかし、人は面倒になると、ついつい「単利」の発想で考えてしまう。「足し算」の方が簡単だし、直感に合う場合が多いからだ。
 
そして、これが計算の歪みになる。当然ながら、「複利」で考えるべきところは、複利で考える必要がある。今回はプラスの計算だったからこの歪みは怖くないが、マイナスの計算でこの歪みが出ると取り返しの付かないことに成り兼ねないのだ。人の世の出来ごとについては、適宜「複利」で考えることが大切になる。ぜひ、「複利」で考える習慣を身に付けて欲しいものだ

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.