今年の花粉のピークは3月4日!?


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春は花粉症の季節。どこかしこで花粉症の話題を目に耳にする。ただし、その内容は「鼻水が止まらない」、「目が痒くてどうにもならない」など症状の話、「早い時期から薬を飲み出すと症状がやわらぐらしい」、「舌下免疫療法というのがあると聞いた」など対策の話がほとんど。肝腎の花粉の飛散量については、嘘か真かさえわからない多い/少ないの話が出るくらいだ。
 
実際、花粉の量については「非常に多い」、「多い」、「少ない」などで発表されることが多く、具体的にどのくらいの花粉が飛んでいるかはあまり伝えられない。飛散量のデータは公開されているものの、そのままでは細か過ぎてわかり難いためか、あまり話題にされることはないようだ。花粉の飛散量については丁度いいレベルのデータがなく、そのためにデータが活用されない状態が続いているように思われる。そこで、ちょっとデータをいじってみた。知りたいのは、花粉飛散量の大きな傾向だ。
 

花粉

credit: JaggyBoss via FindCC

 


花粉の飛散数はバラツキ大


今回、データは環境省花粉観測システム「はなこさん」からダウンロードした。対象は2月7日から4月12日の東京都3地点のデータ。データ観測は1時間に1回で、3地点 × 65日 × 24回 = 4,680レコードのデータとなる。
 

花粉飛散数

 
まず、データをざっくり見て気付くのが、データのバラツキが大きということ。上のグラフを見ればわかる通り、数値の動きがかなり激しい。飛散数が1,000[個/m3]を超えていたかと思うと、数時間後には100[個/m3]を下回っていたりする。3月上旬に大きな値が続くのは間違いないが、そこがピークとは言い切れない感じだろう。
 
花粉の飛散数は、気温などと較べて振り幅が大きい。しかも、飛散数には馴染みがないため、数値を見ても何が何だかわからない。飛散数を公表しない理由は、このバラツキの大きさに一因があるように思われる。
 


ちょっと加工したぐらいでは使い易くならない!?


さて、3地点のままではデータの扱いが煩雑になるので、都心に一番近い東京都多摩小平保健所(小平市)に絞ってデータ加工を続けてみる。更に、1日あたり24個のデータがあることが見難さの原因なので、データを1日1個の最大値に絞ってみた。平均を取ることも考えたが、花粉症の症状が出るかどうかは最大値次第と考えて、こちらを採用した。
 
結果はこの通り。

花粉飛散数

24時間それぞれのデータよりは見易いものの、何日かに一度、「特に多い日」があることがわかるだけ。その「特に多い日」の花粉の飛散数が、徐々に多くなるとか、少なくなるという傾向は見られない。7日移動平均にしても「特に多い日」に引っ張られ過ぎて大きな傾向は見え難い。2月22日以前と4月9日以降に花粉の飛散数が少ないことはわかるが、それはこのような加工をしなくてもわかるだろう。
 
どうやら、ちょっと加工したぐらいでは使い易くならないデータのようだ。
 


細かく見ればいいというものではない


データを観測しているのにそれを積極的に公開しないのは、あまりに扱いが悪いせいだろう。1日の最大値だけでも発表してもらえば参考にはなるが、その数値を見て対策をする/しないの判断をするのは難しそうだ。個数レベルで事前に予測するのは難しそうだし、その時期時期のポテンシャルを何らかの形で示すのも難しいように思う。
 
データは何でも細かく見ればいいというものではない。データの実状と利用目的を重ねあわせ、丁度いい解像度のデータを見付けることが必要になる。花粉飛散数について言えば、「多い」、「少ない」ではあまりにざっくりだと思ったが、それにはそれなりの理由があったようだ。花粉の飛散数については、きっとこれが最良なのだろう。データ活用では、このさじ加減が大切になる。

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