Windows 10は最終バージョン!?


この記事の所要時間: 40秒 〜 50秒程度(2227文字)


この夏、Microsoftの次期OS・Windows 10がリリースされる。既にプレビュー版も公開されているので、その画面イメージなどを目にした人も多いだろう。スタートメニューの復活、Internet Explorerに代わる新ブラウザ・Microsoft Edgeの登場、そしてなにより無料での提供と、話題には事欠かない。
 
このWindows 10には「最後のメジャーバージョンアップ」という噂がある。つまり、Windows 10がWindowsの最終バージョンになるということだ。その真偽は定かではないが、Windowsもそろそろ落ち着いて欲しいところ。噂が本当ならば、大歓迎だ。
 

窓

credit: juandavinci via pixabay

 


バージョンアップの見返りは?


Windows 10が「最終バージョン」という噂される根拠の一つが、無料提供にある。これまでOSで荒稼ぎしてきたMicrosoftがそれを無料にするのだから、ビジネスのやり方を変えるのは間違いないだろう。そして、新0Sのリリースが直接的に大きな売上や利益を生まなくなれば、新OSをつくる動機は薄れる。これまでのように、数年に一度のバージョンアップをしても見返りが少ないのだ。
 
そして、もう一つの根拠が、バージョンが「10」であること。現在のバージョンは8.1であり、9を飛ばして10になる。ここに特別なメッセージを感じても、不思議ではないだろう。その上、普段10進数を使っているためか、10には何となく達成感(?)がある。AppleがOS Xから10年以上バージョンアップしていないこともあり(今のバージョンは10.10.3)、ここで打ち止めになるという推測はもっともらしく感じられる。
 
素人目で見れば、OSやアプリケーションのバージョンの数え方は自由自在だ。一定の変更を行なったとき、それをメジャーバージョンアップとするかマイナーバージョンアップとするかの基準は、そこまで厳密でないように思う。OS XはOS Xのまま内部も外見もそれなりに大きく変わり続けているし、一方、Google Chromeは大した変更でなくてもひたすらバージョンを伸ばしている(現在使っているMac版Google Chromeのバージョンは42.0.2311.135)。バージョン管理に匙加減が効くのなら、Windowsが「10」で最終バージョンとなる可能性は、より高まるように思っている。
 


操作性の変更はもうたくさん!


そして何より大きいのは、利用者がOSのバージョンアップを望んでいないことだろう。あくまで「半径100メートル」の情報に過ぎないが、OSのバージョンアップに肯定的な意見は最近まず耳にしない。OSの変化によって新しくもたらされるものの魅力が、失われるものを上回れないのだ。
 
OSなどを開発する側は、バージョンアップが大好きだ。持てる限りの技術を尽くし、少しでも良いものを提供したいのだろう。しかし、その中にはまったく利用者が望んでいない変更もあり、開発側が「こんなことができて凄いだろう!」と主張するだけに終わるものも多い。特に、操作性の変更はヒット率が低く、パソコンを使った作業の生産性を大きく下げているように思える。「操作性の変更はもうたくさん」となるのはこのためだ。
 
もちろん、OSは処理スピードやセキュリティなどの内部では、これからも進化し続けるだろう。しかし、それと外見は別の話。操作性の変更は少ない方が好まれるように思う。安定した操作性を維持しつつ、新しい機能はデフォルトがオフのオプションで提供する。「細部は変わっているけど、印象は変わらない」を実現するとでも言おうか。Windowsにも、このような今のOS Xみたいな状態になって欲しいし、そうなっていくのが必然のように思う。
 


企業都合のイノベーションは・・・


どんな製品でも、一定の年数が経って成熟してくれば、品質の伸びしろは小さくなってくる。最初は、掛けた時間やコストに応じて品質も上昇するが、あるところからはその上昇幅が小さくなるのだ。そこで、まったく新しいものを導入してこの既存製品の停滞を乗り越えようという発想が出てくる。広義の「イノベーション」を起こして品質を向上させようという考え方だ。OSのメジャーバージョンアップも、この枠組で捉えることができるだろう。そして、イノベーションに取り組む姿勢は素晴らしいが、すべてがうまくいく訳ではない。
 

イノベーション

 
OSは特別な製品だ。選択肢が少なく、市場は寡占状態。1社が好ましくないイノベーションを起こしたとき、利用者には逃げ道がほとんどない。「それなら他を買う/買わない」がやり難い製品なのだ。
 
このため、OSには安定が求められており、無理にイノベーションを起こそうとしても、その成功確率は低くなる。必要に迫られたイノベーションならまだしも、企業都合でイノベーションを起こすことはますます難しくなるだろう。そして、だからこそ、Windowsも最終バージョンを迎えようとしているという噂が真実味を帯びてくるのだ。

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