人の年齢は見掛けからわかるのか?


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1344文字)


Microsoftが公開した年齢当てサイト・How-Old.netをご存知だろうか。一部で話題になったので、どこかで目にした方も多いだろう。How-Old.netは写真にうつっている人間の年齢を判定するサービスで、このホームページで使っている自分の似顔絵なら66歳。イラストだとしてもかなり残念な精度だが、サービスの発想自体はおもしろい。

似顔絵年齢

 
このサイトをよく見ると、そこには「HOW OLD DO I LOOK?」という説明書きがある。つまり、画像から判定しているのは「実際の年齢」ではなく「何歳に見えるか」なのだ。当たり前と言えば当たり前だが、ポイントはここにある。
 

年輪

credit: Antranias via pixabay

 


サービスの精度は「何歳に見えるか」との比較で!


さて、人の年齢は見掛けからわかるだろうか。ある程度の推測はつくものの、なかなか当たらないのが実態だろう。人によって若く見える人もいれば老けて見える人もいる。同じ人でも、疲れていれば年をとって見えるし、ちょっとした姿勢の変化や光の加減で若く見えたり、老けて見えたりするものだ。
 
How-Old.netの年齢当ての精度を評価するとき、多くの人は写真にうつっている人の「実際の年齢」と比較するだろう。しかし、それは間違っている。サービスの精度を測るなら、比較すべきは「実際の年齢」ではなく「何歳に見えるか」だ。How-Old.netで年齢判定した写真について、例えば100人に「何歳に見えるか」を質問して、その平均値と較べるのが正しいアプローチとなる。
 
データ活用で大切なのは、その数値があらわしている意味を正確に捉えることだ。「実際の年齢」か「何歳に見えるか」にこだわるのかは重箱の隅をつついているみたいだが、この細部の意味付けこそが重要になる。
 


コンピュータにも「できないこと」がある


コンピュータを使ったシステムやデータ活用に過剰な期待を抱く人がいる。例えば、今回紹介したHow-Old.netの技術が向上すれば、「実際の年齢」がわかると誤解する人たちだ。しかし、いくら技術が向上しても人の外見から年齢を当てるのには限界がある。いまのシステムの延長線上にある技術では、「実際の年齢」を正確に推測することは不可能だろう。新しい技術に期待するのは当然だが、原理的に考えて「できること」と「できないこと」を見わけなくては、目くらましにあってしまう。
 
そして、もうひとつ大切なのは、「何をはかっているのか」、「何を予測しているのか」などの細かな意味付けをしっかり確認すること。データには簡単なラベルが付けられることが多いが、それがデータの意味を正確にあらわしているとは限らない。そして、この部分への注意が欠けて、データから間違った結論を導く事例は案外多い。データ活用というとデータそのものに目が行きがちだが、大切なのはデータの意味付けだ。ここを忘れずにデータに向き合うことが、データ活用で最重要となる。

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