3つの省エネ 薄暗い部屋ではアイデア出ない!?


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1554文字)


夏は節電の季節だ。
東日本大震災後の電力不足を経験してからは、いつ、どこへ行っても「節電中」が当たり前。そして、電力使用量がピークとなる夏こそが、節電の本番となる。今年(2015年)も数値目標を伴う節電要請は見送られたものの、これは企業や家庭における節電の定着を前提としたもの。この夏も、今まで通りの節電は続くことになりそうだ。
 
使用するエネルギーを削減することは、地球に優しく、財布にも優しい。節電に限らず、省けるものを省くのは大変結構なことだ。ただし、それは本当に「省けるもの」の場合。何でもかんでも手当たり次第に、使用エネルギーを削減すれば良いというものではない。薄暗い部屋で作業をするような省エネは、果たして正しい省エネと言えるのだろうか。
 

 


3つの省エネ

自分なりに整理すると、省エネには3つのパターンがある。
 
1つ目は「効率型」。これまでと同じ結果を維持したまま、使用エネルギーを削減する。夏場の冷房で説明すれば、エアコンの設定温度は今まで通りをキープしたまま、エアコンを効率のいい新製品に変えるなどして使用するエネルギーを減らす方法だ。
 
2つ目は「我慢型」とでも言おうか。求める結果のレベルを下げて、それによって使用エネルギーを削減する方法。使用するエアコン自体は変えずに、設定温度を何度か高めて、省エネする。ある種の我慢が求められるパターンと言えよう。
 
そして3つ目は、これら両方をあわせて行なう「何でも型」。現実には、このパターンが多い。「できることは何でもする」で取り組めば、自ずとこの形になってくるためだ。
 


生暖かくて薄暗い会議室では・・・

さて、「効率型」が正しい省エネなのは間違いないが、疑問に思うのは「我慢型」と「何でも型」だ。使用するエネルギーが減るのは良いとして、結果が劣化して我慢が必要になったのでは、評価が難しお。オフィスの温度が上がることで従業員の集中力が下がり、作業の効率が落ちてしまったら、それは本当に省エネと言えるだろうか。残業が増えて、冷房の使用時間が長くなれば、かなり本末転倒な話になる。
 
白熱電球からLED電球への変更も同じこと。同じ明るさが維持できなければ、使用エネルギーを削減することで失うものがある筈だ。自分の経験から言えば、空調のよく効いた明るい会議室と生暖かくて薄暗い会議室では、出るアイデアも違ってくる。気分が悪ければ、なかなかいいアイデアは生まれない。
 


ときには、一歩引いて見直すことも大切!

使用したエネルギーの量は簡単に測れるが、作業の効率やアイデアの質はなかなか測れない。このため、つい前者ばかりに注目しがちだが、それでは片手落ちとなる。見えるものや測れるものに引っ張られて大切な部分を見逃してしまっては、元も子もない。
 
省エネでも、必要なのは生産性の発想となる。投入したインプットと、獲得したアウトプットの関係こそが重要なのだ。インプットの節約ばかりに注目し、アウトプットをないがしろにすれば、何をしているのかわからなくなってしまう。
 
省エネの取り組みには大局観が必要だ。視野狭窄に陥り、目の前のエネルギー節約ばかりに気を取られていては、おかしなことに成り兼ねない。ときには、自分や自社の行なっている省エネを、一歩引いて見直すことも大切だ。本格的な夏を間近に控えたこの時季に、再考してみてはいかがだろうか。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.