評価を測るか行動を測るか。それが問題だ!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1642文字)


インターネットは5つの星であふれている。
書籍ならAmazon、飲食店なら食べログ、パソコンや家電なら価格.com。今にはじまったことではないが、どのサイトを見ても評価だらけだ。評価をどの程度信じるかは利用者次第とは言え、星の数を見てしまえば何かと気になるもの。どんな人たちが何を基準に評価しているのかわからなくても、星3つよりは星4つがよく見えてしまう。
 

星

credit: Ramdlon via pixabay

 
飲食店などについては、点数での評価ではなくリピート率が知りたいという意見がある。利用者が付けた点数より、その人の実際の行動の方が信用できるという訳だ。高評価を付けた店でも、その店にあまり行かないなら何か理由がある筈。一方で、低評価でもよく行く店には、それはそれで何らかの理由があるのだろう。頭で考えて決めた間接的な評価よりも、人間の直接的な行動の方が信じられるという発想は、「事実」にこだわっていると見ることもできる。
 
製品やサービスの現状を把握したいなら、それを利用する側であれ利用される側であれ、行動を測定するアプローチはかなり強力だ。人間の内面を質問するアンケートと違い、表面にあらわれたことだけを測ることになるが、それが却って長所でもある。データを有効活用したいとき、評価を測るか行動を測るか。それが問題だ。
 


行動の測定なら・・・

行動の測定がアンケートと較べて優れているところは、本音ベースだということ。アンケートで質問すると、建前で答えたり、他の人に合わせたりすることもあるが、行動にはそれがない。よって、対象者の意志を「ありのまま」に捉えることができるようになる。
 
データを見る側の立場で考えれば、より純粋な感じがするのも確かだろう。頭で考えたアレコレよりも、行動の方が直接的。誰かに評価の内容を読んでもらいたいとか、自分のお店選びのセンスを見せ付けたいとか、余計な小細工が無いのが良い。賞金付きの「美人投票」になりにくいと言ってもいいかも知れない(参考:「美人投票」に要注意!)。
 
とは言え、行動を正確に測定するのは難しい。冒頭で例に出した飲食店のリピート率でさえ、なかなか一筋縄では行かないだろう。リピート率を1か月以内の再訪問率と定義したとして、本人以外にはそれを測定する方法がない。もちろん、一定数の協力者に訪問したお店を記録してもらえばリピート率の算出は可能となるが、気が遠くなるような話。お店の立場なら、会員カードをつくったり、期限付きのクーポンを出したりすることで再訪問の測定はできるが、この方法では飲食店同士を比較することは難しいように思う。
 
また、行動の測定では再訪問したか/しないかはわかっても、その理由がわからないという欠点がある。リピートの実態を掴んだとしても、理由がわからなくては対策を練り難いことになる。
 


何を調べるか、自分自身で考えよう!

当然ながら、「評価を測るか行動を測るか」に正解はない。その時々の調査目的に合わせて、併用するのが一番だ。どちらか一方では片手落ち。両方の方法があることを理解した上で、使いわけることになる。
 
そして、大切なのは何を調べるかを自分自身で考えることだ。データ活用で見落とされがちなのが、「知りたいこと」と「調べること」との関係。「知りたいこと」とあまりフィットしないことを調べてそのデータに踊らされても仕方ないが、これが頻繁に見受けられる。これを避けるためには、与えられたデータをそのまま受け入れるのではなく、みずからどんなデータが必要かを考えること。評価か行動かの選択もこのひとつとなる。何を調べるかについて、ぜひ自分自身で考える癖をつけてもらいたいものだ。

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