人はApple Watchを買うんじゃない!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1741文字)


スティーブ・ウォズニアックはApple Watchを持ってないらしい。古くからのAppleファンにとってはショッキングなニュースだが、実はどうということのない話。既に(社員割引で)Apple Watchを注文したものの、ウォズの手元にまだ到着してないだけとのこと。Appleの新製品といえば店舗にできた行列の先頭にウォズがいるのが恒例だったが、Apple Watchの販売形態ではこれができない。「行列をつくらせない」というAppleの新方針(?)が、思わぬ影響を及ぼした訳だ(参考:ウォズニアックはApple Watchを(まだ)持っていない|ギズモード・ジャパン)。
 

Apple Watch

credit: charlie0111 via pixabay

 
Appleの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアックは、一部の人にとってアイドルのような存在だ。伝説のエンジニアであるウォズが、Appleやその他の会社の新製品にどのようなコメントをするのか楽しみにしている人も多いだろう。大所高所からのしがらみがない発言には、しばしばハッとさせられるものがある。
 
今回について言えば「You don’t buy a watch. You buy a band(人はApple Watchを買うんじゃない、バンドを買うんだ)」という部分が凄い(原文は「Apple Watch」ではなくただの「watch」だけど・・・)。あくまでシャレで言ったようだが、なかなか核心を突いている。
 


製品よりもベネフィット


「人はApple Watchを買うんじゃない、バンドを買うんだ」は、当然ながら「人はドリルを買うんじゃない、(ドリルで空ける)穴を買うんだ」を意識したものだろう。人は製品そのものではなく、その製品がもたらすベネフィット(便益、恩恵)に対する期待を買うという考え方だ。ある新製品がヒットした場合、その製品そのものに注目しがちだが、期待されているベネフィットまで考えないとヒットの理由を見誤ることになる。
 
Apple Watchはインパクトが強いため、ヒットしたらその製品自体に注目が集中して、ベネフィットが置いてけぼりに成り兼ねない。そこを見越したわけではないだろうが、「人はApple Watchを買うんじゃない」はかなり鋭い一言だ。人がApple Watchの何に引き付けられるのかは、今後、大きなテーマとなってもおかしくない。
 


Apple Watchはイノベーション級の製品?


Apple Watchがヒットしているかはまだわからない。「ヒットしている」という話題をよく見掛けるが、どれも断片的な情報からのもの。具体的な数値は7月末にも発表されるAppleの4月〜6月期決算待ちとなる。ヒットの基準がはっきりしないので実売数などがわかってもいろいろ議論となるだろうが、ヒットの程度はそれなりにわかることになる。
 
ただし、販売の実態がわかっても、購入者が期待したベネフィット、実際に使用して感じたベネフィットはわからない。Apple Watchは、iPhoneのように世の中を変えるほどのイノベーション級の製品なのか、iPad程度の(?)世の中がちょっとカイゼンされるくらいの製品なのか。
 
これを見極めるには、Apple Watchに「まったく新しいベネフィット」があるかがポイントとなる。iPhoneでできることがApple Watchでもできるのは便利だけど、それはイノベーションではない。Apple Watchが手元にあることで、今まで他の製品ではできなかった何かが実現できなければ、カイゼン止まりだろう。
 
そして、真のベネフィットがあるかどうかを知りたいときに役に立つのがウォズの慧眼だ。神様扱いしてしまってはいけないが、やはりモノの本質を見抜くチカラに秀でているウォズの発言は注目に値する。ぜひ、1日でも早くウォズの手元にApple Watchが届いて欲しいものだ。

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