Chromeのブックマークが元に戻った!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1564文字)


Google Chromeのブックマークが変更になった。ブックマーク マネージャの表示が、タイル形式から元のテキスト形式に戻ったのだ。タイル表示で使い難い思いをしていた人には朗報だろう。ブックマーク マネージャがタイル表示に変わったのはたった数か月前のこと(OS X版の場合)。かなり素早く、新しいアイデアを捨てたことになる(参考:Chromeの「ブックマーク マネージャ」がタイル表示からシンプルに戻る)。
 
企業が何かを変更したとき、それを元に戻すのは難しい。自社の失敗を認めることになるため、簡単に「やっぱり駄目でした」とはならないのだ。変更のために掛けた費用がもったいなく思えるし、失敗を認めれば責任も生じる。そして、社内の駆け引きや関係者のプライドもある。その結果、明らかに悪くなったように見える改変がそのまま放置されることも数多い。それをたった数か月で元に戻したのだから、Googleは素晴らしいと言えるだろう。他社とは違う文化があるのはと考えてしまう。
 

Chrome

credit: geralt via pixabay

 


Googleはデータに真摯?


さて、Googleの意思決定の真相はわからないが、想像してしまうのが数値目標による管理だ。Googleには、A/Bテストなどを積極的に取り入れ、何ごとも数値で白黒はっきり付けるイメージがある。今回の「元に戻す」判断の裏にも、似たようなことがあるのではないだろうか。例えば、ブックマークタイル化の狙いが「ブックマーク数の増加」で、その目標の「○○%増」が期限までに達成できなかったとか。そういうことだ。
 
数値目標による成功/失敗の判定自体は珍しいことではないが、その先の意思決定までスピーディーに行なうのは難しい。多くの企業では数値目標を達成できなかったからといって、すぐに次の段階に進むことは珍しいのだ。何せ人間が絡んでいることなので、判断を先延ばしにしたり、原因究明を理由に時間を稼いだり、もう一度チャンスを与えたりといったことがしばしば起きる。
 
その点、Googleは出てきたデータに大して真摯な印象がある。ドライというか、冷たいというか、徹底しているというか、要は容赦がないのだ。今回の件は推測に過ぎないが、データに真摯なところがGoogleの強みであっても不思議はない。そうでなければ、今回のような「元に戻す」判断はなかなかできないように思う。
 


試行錯誤にも作法アリ


何かをするとき、その「すること」はすべて仮説だ。ブックマークをタイル表示にすることで、ユーザーがこうこう変わり、ブラウザのシェアが上がるとか、ユーザーのブラウザ利用時間が長くなるとか。何らかの仮の説があって、「すること」は実行に移される。
 
仮説を実行すれば、思った通りの結果が出たり、出なかったりだが、試行錯誤はそれでいい。ただし、そこに成功/失敗の基準がないとややこしくなる。これがはっきりしていないと、結果のデータがあってもそこにさまざまな解釈が出てきたり、言い訳が生まれたりしてしまうのだ。データ活用は、データで状況がはっきりした後が本番。そのデータをテコにして、悪い状況を実際に変えられるかが勝負になる。そこで必要なのが試行錯誤の作法だ。これがないと、データに踊らされてしまう結果に成り兼ねない。
 
Googleの今回の判断の早さは、素晴らしものがある。その背景ははっきりしないが、データ活用の見事さがそこにあるのだろう。Googleのデータに真摯な態度は見習いたいものだ。

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