テレビの未来はTOKYO MXがつくる!?


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1523文字)


近い将来、「5時に夢中!」が日本中で見られる日が来るかも知れない。この番組を放送するTOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)が、同局の番組を全国から無料で見られるスマホアプリ・エムキャスをリリースしたからだ。アプリの説明には「スマホでテレビが綺麗にサクサク見られる時代がきました!」とあり、そのコンセプトは明解だ。
 
スマホでテレビを見るだけならワンセグでも可能だが、このエムキャスはTOKYO MXの番組を「全国どこからでも」見られるところが新しい。地上波の番組を、他の地域からも見ることができるようにするのだから画期的だ。現時点ではTOKYO MX単体でのサービス提供とはいえ、テレビの未来を変える大きな一歩になっても不思議がないように思う。
 

 


radikoのテレビ版?


このサービスを聞いて誰もが思い出すのが、言わずと知れたradikoだろう。念のため説明すれば、radikoは2010年にスタートしたインターネットを使ったラジオ配信サービスで、現在では全国73のラジオ局が参加している。昨年(2014年)4月からはエリアフリー聴取サービス「radiko.jpプレミアム」がスタート。すべての番組とはいかないものの、月額350円で自分が住んでいる地域以外のラジオ番組が聞けるようになった。
 
エムキャスもradikoも、「放送」の代わりにインターネット配信を使うことで、「放送」では何かと制約となる地域の壁を突破。これによって、自社の番組をより多くの人に届けることを可能にしている。言うまでもなく、両者のサービスの発想は同根だろう。もろもろ違いはあるものの、エムキャスがradikoのテレビ版に見えるのは当然のように思う。
 


「1人でも多くの人に見てもらいたい」なら・・・


番組をつくったら、その番組を「1人でも多くの人に見てもらいたい」と考えるのは当たり前のことだろう。そのためにあらゆる手段を尽くそうとすれば、今回TOKYO MXが始めたようなサービスは自然と浮かび上がってくる。地域単位を前提とする現行のテレビの常識からすると画期的なアプリだが、ゼロから考えれば今までこういうサービスがなかったことが不思議なのだ。
 
そして、これまでこういうサービスがなかったのには理由がある。それは、現在行なっているビジネスが成功しているとき、それに影響を与えるような新しいサービスに手を出さないのは世の常ということ。テレビの本来の事業である「放送」で充分な利益が得られるなら、それを台無しにする可能性さえ秘めるインターネット配信サービスには及び腰になるのが当然だ。
 


イノベーションは弱者が起こす!?


ビジネスで新しい風を起こすのは弱者か新入りという説がある。業界の大手や古参は、現在の利益を生んでいるシステムを守ろうとするためにイノベーションを起こし難いというのだ。その点、今のビジネスのやり方では利益を生み出すのが難しい弱者がイノベーションを目指すのは理にかなっている。
 
弱者と言っては失礼なのかも知れないが、この意味でもTOKYO MXには期待したい。現時点ではアプリで見られる番組が限られており、Itune Storeを見る限りアプリ自身の評判も決して良くない。しかし、これははじめの一歩。テレビの本来を占う意味でも、その今後に注目したいところだ。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.