旧暦2033年問題と段取り八分


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1654文字)


旧暦2033年問題というものがある。日本における最後の太陰太陽暦である天保暦が、2033年に月名を決められなってしまう問題のことだ。旧暦に矛盾が生じても普段の生活に影響はなさそうだが、どうやらそうはいかないらしい。例えば、月名が決まらなければ六曜がわからないので、冠婚葬祭業などが困ってしまう。自分のようなタイプは「この際、旧暦なんて廃止にしたら!」と言いたくなるが、現実にはそうはいかないようだ。
 
さて、旧暦20033年問題の難しさはどこにあるのだろうか。かなり前からわかっていた問題であり、今もって解決しないのには何らかの理由がある筈だ。実は、この問題のポイントは「決める人がいない」に尽きる。問題の解決法のアイデアはいくつかあるのに、どれを採用するか決定できる人がいないようなのだ。
 

月 太陽

credit: ChadoNihi via pixabay

 


月の決め方のルールを少し変えれば・・・


まずは、2033年問題についてもう少し詳しく説明しよう。天保暦では、月名を二十四節気のうち偶数番目にあたる「中気」によって決めている。「雨水」が含まれる月は1月、「春分」が含まれる月は2月と言った具合に月名を決めていくわけだ。そして、「中気」を含まない月を閏月にすることで、1年の長さのズレを調整している。今までこれで問題なかったのだが、2033年の暦にこれを定義通り適用すると、9月の次が11月になる珍事が発生してしまうのだ。
 
この問題の解決法はいくつか考えられる。詳細は省くが、月の決め方のルールを少し変えるだけで対応できるためだ。どの案が妥当なのかは検討もつかないものの、普通に読む限り問題のなさそうな解決法がいくつも提示されている。
 
そして問題は、「決める人がいない」こととなる。旧暦は国で正式に採用されている暦ではないので、管轄する機関がはっきりしないのだ。関係する人たちがシンポジウム等を開いて議論はしているようだが、「決める人がいない」のでは話が捗る訳もない。どうにも先の見えないことになっているようだ。
 


何より先に段取りを!


俗に、段取り八分という。段取りさえしっかり決めておけば、その仕事は大体完了したようなものという訳だ。旧暦2033年問題で重要なのは、この段取りの決め方。誰が、何を、いつまでに、どうやって決めるかの段取りさえ明確にすれば、その解決自体はさほど難しいことではない。それなのに、段取りが決まらないため、段取りの決めようが無いため、いつまでも解決しない問題として残り続けているのだ。
 
「月の決め方のルールをどうするか」に較べて、「ルールを誰がどうやって決めるか」は本質的でない議論だ。しかし、この段取りが決まってないと、ものごとは動かないのも確か。まさに、段取り八分と言えよう。本質的でないことは理解しつつも、まず何より先に段取りを決めることが重要になる問題もあるのだ。
 
さて、企業などでも似たような問題の構図は多い。誰かが決めなくては前に進めないのに、決める人が決まってないので動けない構図だ。そして、腹を括った誰かが無理矢理にでも決めようとすると、あれこれ横槍を入れる輩が出てくる。更に言えば、「決めたこと」についてはあまり評価されない。このため、誰もが及び腰になり、何も決められない状態に陥ってしまう。
 
日常的な業務では、担当者がはっきりしているので、この「決める人がいない」問題はあまり起こらない。しかし、新たな問題やほんの些細な事柄について、「決める人がいない」問題はどの企業でも数多く存在しているものだ。そして、それが業務に支障をきたしている。定期的にこのような問題を洗い出し、段取りを決める習慣をつけることは、本質的でないものの案外重要だ。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.