朝食人気ナンバーワンはマクドナルド!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1652文字)


先日、ロイターに米マクドナルド、朝食好きの間で一番人気 2位サブウェイ=調査という記事があった。外食産業各社が「朝食」に注目していると言われる中、アメリカの朝食人気ナンバーワンはマクドナルドなのかと思ったが、どうもそうとは限らないらしい。
 
記事のタイトルで読み飛ばしてはいけないのは、「朝食好きの間で」という部分。ランキングがあるとついつい順位に目が行ってしまうが、どのような組成のランキングなのかをチェックしないと勘違いの元と成り兼ねない。今回の記事で紹介されている順位は、「朝食好き」な人たちによるかなり特殊なランキングだ。
 

朝食

credit: condesign via pixabay

 


対象は「朝食メニューを1日に2回食べる人」


記事によると、この調査の対象者は「ブレックファスタリアン」。「昼夜を問わずいかなる時間にも朝食メニューを楽しむ」人たちのことで、具体的には「朝食メニューを1日に2回食べる18歳以上の大人1000人」を対象にしたとのこと(たぶん「2回」は「2回以上」の間違い)。「朝食好き」と言っても、一日の食事で朝食をもっとも大切にしている人とか、ホテルなどでの朝食の食べ歩きを趣味にしている人とかではなく、1日に何回も朝食メニューを食べる人なのだ。
 
もちろん、朝食を何回食べようと個人の自由だし、一定数のブレックファスタリアンがいるからこそこの調査が成立している。その意味でこの調査結果に何ら問題はないのだが、「朝食メニューを1日に2回食べる人」と1日に1回朝食を食べる人の好みが一致しているかは疑わしい。毎日毎日、1日中朝食メニューばかり食べていたら、細かなところに必要以上のこだわりが生まれてもおかしくないし、たまには変わったメニューも頼みたくなるだろう。夕食の予算で朝食をとろうとすれば多少の贅沢ができるかも知れない。「朝食メニューを1日に2回食べる人」の朝食の好みは、一般的な人たちのそれと違う可能性が高いように思う。
 


目の前にあるデータに要注意!?


さて、この調査に他の質問等のデータがあるとして、それは役に立つだろうか。当然ながら、ブレックファスタリアンをターゲットにビジネスを展開しようとしているなら、充分参考になるだろう。彼ら彼女らに向けたメニューやサービスを考えるとき、この調査結果は第一級の資料となる。
 
しかし、一般的な人たち向けの朝食メニューを考えるとなると話は違ってくる。ブレックファスタリアンの好みはかなり特殊と考えられるからだ。彼ら彼女らの好みに合わせたメニューを提供すれば、マニアック過ぎて多くのお客はついてこれないだろう。「もっと普通のメニューが食べたい」、「バターにそんなにこだわらなくていい」となってしまい兼ねないのだ。
 
人は目の前にあるデータに飛び付きやすい。そのデータが、「誰に」、「何を」質問してできたものなのかなどはお構いなしに、その結果ばかりに引っ張られる。たとえ「誰に」や「何を」に配慮したとしても、「朝食メニューを1日に2回食べる人も一般の人も朝食の好みは一緒」などの無根拠な拡大解釈をして、そのデータを使おうとする。数字の魅力なのだろうか。一度手にしたデータを無理にでも使いたがる人が多いのだ。
 
自分も含め、目の前にあるデータに引っ張られる傾向を完全に防ぐことはできないだろう。しかしそれでも、一度手にしたデータに惑わされやすいことを意識しているのとしていないのでは、その引っ張られ方が違ってくる。今回紹介したランキングにしても、「誰に」、「何を」を意識していたからこそ、特殊なデータと気付くことができたのだ。データを活用するときには、「目の前にあるデータに引っ張らない」という自戒をもって接して欲しいものだ。

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