新しいOS Xの売りはカーソルが目立つこと!?


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1508文字)


Appleの最新OS・OS X El Capitan(エル・キャピタン)が10月1日にリリースされる。新製品であるiPhoneやiPad Proに話題を奪われがちだが、OS Xの年に一度のメジャーバージョンアップもかなり重要。そのバージョンは、v10.11となる。
 
OS X El Capitanについては、すでに紹介ページが出来ており、そこで目を引いたのが「カーソルを目立たせよう。」という部分。OSがバージョンアップして新しくなることはたくさんあるのに、カーソルを大きくできるという些細な改良がわざわざ大きく紹介されているのだ。目立つカーソルは、El Capitanの大きな「売り」なのかも知れない。
 

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Photo credit: Jared Tarbell / Foter / CC BY

 


AppleはOS Xの成熟を目指す!?

El Capitanのページで一番最初に紹介されている機能が、二つのアプリケーションを画面いっぱいに映し出す「Split View」。二番目が使用中のアプリの切り替えをスムーズにする「Mission Control」の機能向上で、この部分の最後に「カーソルを目立たせよう。」が出てくる。この紹介ページで特徴的なのが、OSの操作性がよくなったことを始めにアピールしているところだ。OSのバージョンアップで強調されがちな、OS全体のパフォーマンス向上、画像や動画のアプリケション強化を後回しにして、OSの使い勝手が優先されているのは珍しいように思う。
 
ここで改めて気付くのが、OS Xに大きな進化はもういらないということ。2001年にリリースされたv10.0から12代目を迎えるOS Xの完成度は高く、無理に目玉の新機能をつくってもOSとしてのバランスが崩れるだけだろう。Appleは、新機能の甘い誘惑を捨てて、操作性向上によるOS Xの成熟を目指しているのかも知れない。
 


使い勝手向上で計画的陳腐化を実現しよう

マーケティングに、計画的陳腐化という考え方がある。具体的には、新製品の購買意欲を向上させるため、古い製品を陳腐化させる手法のことだ。元々は、製品寿命が短くなるような仕組みをつくっておくことなども言ったようだが、最近は、新製品に華々しい新機能を取り入れることで旧製品を相対的に陳腐化させる文脈で使うことが多い。毎年新しくなるiPhoneやiPadなどは、正に計画的陳腐化を行なっている。
 
OSについても、これまでは計画的陳腐化があった。目を引く新機能を増やして、バージョンアップを促進させる試みだ。ところが、今回のバージョンアップなどを見ると、使い勝手の向上で計画的陳腐化を狙っているように見える。「計画的陳腐化=新機能の追加」というのは先入観であり、新しいOSを使いたいと思わせる動機付けが使い勝手の向上でも何の問題もない訳だ。OS Xについて言えば、使い勝手向上による計画的陳腐化は大歓迎と言う人も多いだろう。
 
新機能の追加による計画的陳腐化は、今でも盛んに行なわれている。もう追加機能はいらないような製品に次々と新機能が追加されるのはそのせいだろう。それを利用者が歓迎するならいいが、望まれていない場合も多く、新機能の追加による計画的陳腐化は厳しくなってきている。新機能追加に頼らない使い勝手向上による計画的陳腐化は、今後目指すべき方向なのかも知れない。

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