OneDrive「無制限」終了と大盤振る舞いリスク


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数々のクラウドサービスが世間を賑わせる中、残念なニュースが飛び込んできた。Microsoftが、「Office 365」ユーザーに提供しているOneDriveの使用容量を「無制限」から「1Tバイト」に変更したというのだ。変更の理由は、一部のユーザーが「平均的ユーザーの1万4000倍に相当する75Tバイトものデータをアップロード」したためだという(参考:Microsoft、「OneDrive」の無料容量縮小ヘ “容量無制限”は終了|ITmedia ニュース
 
少し前には、Evernoteも「無制限」を取り下げている。有料会員制度「Evernoteプレミアム」ユーザーのアップロード容量に、「月間10Gバイト」の上限を設けたのだ。「大量のファイルの保管・バックアップという「これまでと違う用途」にEvernoteを使い始めるユーザが増え」たための処置とのこと。月間10Gバイトで「既存ユーザの99.999%のニーズを満たす」というのだから、特殊なユーザーが0.001%程度いたことになる(参考:Evernoteプレミアム、月間アップロード容量を「無制限」から「10Gバイト」に 「想像以上の混乱と問題」受け|ITmedia ニュース)。
 

サーバー

credit: blickpixel via pixabay

 
MicrosoftもEvernoteも、その規模こそ違うもののインターネットの大立者。一部ユーザーがどれだけディスク容量を使おうとどこ吹く風のように思うが、そうはいかない理由があったのだろう。何にでも例外的なユーザーが付きものとは言え、それらのユーザーが極端に走り過ぎると全体に悪影響を及ぼすようになる。今の時代、例外的なユーザーへの対応にも新しい考え方が必要なようだ。
 


100万人に1人ぐらいまで考えよう!


クラウドサービスに限らず、インターネットで提供されるサービスはユーザーの間口が広い。もちろんサービスのタイプや規模によるが、老若男女は当然、日本人も外国人も、インターネットのライトユーザーもヘビーユーザーも同じサービスを使うことになる。リアルな世の中と違って物理的な制約があまり働かないため、多種多様な人々がひとつのサービスのユーザーになりやすい。
 
その結果、インターネット上のサービスには例外的な使い方をするユーザーもたくさん集まって来るようになる。優れたサービスになればなる程、一部のユーザーによって事前に想像しなかったような特殊な使用方法が生み出される訳だ。それがサービス提供側の許容できる範囲なら問題ないが、ある一線を超えてしまうと今回のような制限が加えられることになる。例外的なユーザーが増えれば、不測の事態が起きる確率が高まるからだろう。
 
間違いないのは、インターネット上でサービスを提供するときには、想定する例外の範囲をできるかぎり広く考えておいた方がいいということだ。一般のサービスが1000人に1人ぐらいの特殊なユーザーを考えるなら、インターネットではその2乗の100万人に1人ぐらいまで想定した方がいい。これらの数値に根拠はないが、例外的なユーザーの集まりやすさを考えればそのくらいの構えが必要のように思う。一般的な企業が提供するサービスと、マイクロソフトやEvernoteのサービスには大きな規模の違いがあるにしても、警戒するに越したことはないだろう。
 


大盤振る舞いはリスクが大きい!


そして、これをマーケティング視点で見るなら、大切なのは最初から大盤振る舞いをしないこと。はじめに「無制限」なサービスを提供して、後からあれこれ条件を付けるとサービスの質が劣化したように見える。「1Tバイト」や「月間10Gバイト」は多くの人にとって充分なサービスだが、最初の「無制限」と比べると見劣りしてしまうのだ。
 
サービスにおいて「無制限」は売り文句になるものの、それ相応のリスクがある。そして、後から「無制限」を撤回すれば、実態以上の悪印象が避けられない。インターネットでサービスを提供するときは、特殊なユーザーを充分に想定して、安易に大盤振る舞いをしないことが必要だ。

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