マイナンバー通知カード、誤配して何が悪い!?


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1500文字)


その運用に不安の声も挙がっているマイナンバー制度。このマイナンバーを知らせる「通知カード」の簡易書留郵便で、誤配が起きた(参考:マイナンバー通知カードを誤配=千葉・浦安で、郵送開始以来初-日本郵便|時事通信)。「隣の部屋に住む人の分も重ねて2通手渡し」してしまったことが原因だという。
 
上では最初の誤配の記事を参考として挙げたが、誤配はこの後も各地で続いている。日本郵便は再発防止に努めるとし、総務省は日本郵便に対して厳重注意の行政指導を行なったようだが、その効果は限定的だろう。なぜなら、いくら努力しようと、いくら注意しようと、ヒューマンエラーは必ず起きるからだ。この誤配で日本郵便を責めても何も解決しないし、ましてや実際にミスをした郵便配達員を処分したところで責任転嫁にしかならない。多数の作業をすれば、一定の確率でミスが生じるのは当たり前だ。ミスが発生したことよりも、そもそもミスゼロを前提としていることに疑問を感じる。
 

 


最低100通程度(?)の誤配を想定するのが現実的


以前、このブログにも書いたが、ヒューマンエラーは防げない。ヒューマンエラーを減らそうとすることは素晴らしいし、一時的にはゼロになることもあるだろうが、ミスを根絶できるという考えは間違いだ(参考:ヒューマンエラーは必ず起きる!|ささびず)。一般的な作業でミスがまったく生じないなどということはあり得ないだろう。それこそ、アンケートで1番の選択肢に○印を付けるというごく単純な作業でさえ、0.01%程度の確率で誤回答が発生すると言われている。
 
今回のマイナンバー通知カードならば、郵送は世帯単位なので全国で約5000万通。この通数で1つも誤配が生じないと考えるのは、あまりにおめでたい。誤配率が0.01%(1万通に1通)なら5000通、0.001%(10万通に1通)なら500通、0.0001%(100万通に1通)なら50通。簡易書留郵便の誤配率は公表されてないのではっきりしたことはわからないが、直感で言って最低100通程度の誤配を想定するのが現実的だろう。
 
そして、ミスの発生は完全に防げないのだから、この程度のミスを責めるより事後対策をしっかりした方が好ましい。「誤配して何が悪い!」と言っては開き直りが過ぎるが、ミスをゼロにはできないのもまた事実。できもしないミスゼロを前提するよりも、ミス発生時のフローなどを準備、公開した方が前向きのように思う。
 


「安全神話」に要注意!


ヒューマンエラーを防げるというのはある種の「安全神話」だ。人間がかかわる作業に完璧はない。建前的に「ミスがあってはならない」からといって、「ミスがない」ことを前提にしたのではかえって問題の種になる。起こるはずのない問題が発生すれば、対応が後手に回るのは必至だからだ。ミスを極力防ぎつつ、それでもミスが起きたときの対応をあらかじめ考えておくことが必要になる。
 
今回のニュースで不安を感じるのは、マイナンバー制度がミスゼロを前提にしているように感じられるところ。人がかかわれば当然ミスはあるのだから、それを認めないと「安全神話」に陥ってしまう。重要な制度だからこそ、「ミスはしません」などといったつまらない見栄を張らず、地に足をつけた対策を講じて欲しいものだ。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.