オーブン付きピザ宅配車と「そもそも」視点


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1285文字)


アメリカのドミノピザが、またまたイノベーション(?)を起こした。「なにがなんでもアツアツのピザをお届けする!」ために開発されたピザ宅配車「Domino’s DXP」は、運転席以外の部分すべてにオーブンを内蔵。「温めながら最大80枚のピザをデリバリーすることが可能」だという(参考:またドミノピザ! ドミノピザが今度はオーブン付きの宅配車を開発|ギズモード・ジャパン)。
 
さて、一般にある商品ジャンルが成熟すると、その競争軸はボンヤリする。どのメーカーのどの商品を選んでも、大した差がなくなってしまうのだ。そこで考え出されるのが、他メーカーの商品と差別化できるような新機能。商品ジャンルが成熟して機能は充分出揃っているのに、更に新しい機能が搭載されることになる。追加される機能の中には素晴らしいものもあるが、消費者のニーズにフィットしてないメーカーのひとりよがりのような新機能も多い。
 
そんなとき、「そもそも」に立ち戻るのはひとつの方法だ。新たな競争軸を探していると、視野狭窄に陥り、細部ばかりに目が行きがち。これを打開するために、「そもそも」視点は役に立つ。つまり、トッピングが豪華でなくても、生地に特別な工夫がされていなくても、「アツアツならピザはおいしい」という立ち位置だ。誰も、冷めたピザなど食べたくないだろう。
 

ピザ

credit: shinichi4849 via pixabay

 


挽きたて、淹れたてのコーヒーはうまい?


セブンイレブンのコーヒーの成功なども、この「そもそも」視点をうまく活用しているといえる。要は、「挽きたて、淹れたてのコーヒーはうまい」。コーヒー豆が高級品でなくても、熟練のマイスターがいなくても、ある程度新鮮な豆をその場で挽いてすぐにドリップすれば、まずくなりようがない。この「そもそも」の部分で、セブンイレブンのコーヒーのおいしさはつくられていると考えられる。そして、「おいしさ」によって成功を手繰りよせたのだ。
 
市場が成熟すると、商品の核の部分を脇に置いて、周辺であらそいが繰り広げられることになる。本来大切な競争軸を忘れてしまうわけだ。もちろん、本来大切な部分についてはどの商品も充分に高レベルに達しているということが前提なので仕方ないのだが、時代が変われば技術も変わる。その結果、「そもそも」に戻って考えると、新たなことができる場合も多い。冒頭に紹介した、オーブン付きのデリバリーカーなどもその典型だろう。
 


源にふれろ!


成熟した市場での争いが続くと、目的と手段の混同が起きやすい。ピザを食べたときの「おいしさ」を忘れて、トッピングの珍しさなどに注力してしまうのだ。そんな状態になったときに大切なのは、源にふれること。つまり、「そもそも」に戻る原点回帰となる。成熟市場で行き詰ったら、「そもそも」視点で考えてみたらいかがだろうか。

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