家計調査に見るバター不足の影響


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ここ数年、定期的にニュースになるバター不足。充分な量を供給しているという統計もあり、バターが不足している原因はよくわからない。価格の吊り上げを狙った業者が買い占めているという説もあるが、推測の域を出ないようだ(参考:バターはどこへ消えた? メーカーと小売店食い違い|日本経済新聞)。
 
このバター不足のニュース。川上の乳業メーカー、川下の洋菓子メーカーや流通業者を中心に取り上げられることが多いが、一般家庭にはどのような影響が出ているだろうか。先日公表された家計調査を使って、少しデータ化してみた。
 

 


家庭の食卓にも影響アリ!?


さて、これが購入金額の推移となる。全国の二人以上世帯でのデータだ。

バター購入金額

結果は一目瞭然で、バターの購入金額は大幅に増加中。2007年ごろまで700円前後で安定していた購入金額が2008年から急上昇し、この2年は900円台後半になっている。
 
バターについては購入量も調査対象なのでこれもグラフ化してみると、こちらはほとんど横這いの状態。2015年の大幅減が気になるが、1年のことなので「傾向」というには無理があるだろう。

バター購入量

 
更に、購入金額 ÷ 購入量で購入バターのグラム単価を求めると次の通り。

購入バターグラム単価

結果は、価格吊り上げ説を後押しするかのような高騰。そもそもの購入金額が1,000円以下と少額なので「家計を圧迫」とはならないだろうが、バターの値上がりを確認できる結果となっている。この価格変化を見ると、購入数量は横這いでも、バター不足は家庭の食卓に何らかの影響を与えていそうに思えてくる。
 


データは使い方次第で毒にも薬にもなる


各種統計は、世の中をそれぞれある視点で切り取ったもの。切り取り方によって見えてくるものは違って当然だし、統計間に齟齬が生じる場合も多い。そして、使用するデータの選択によって、「白い」ものを「黒い」ということもできる。「黒い」ということは難しいにしても、「グレー」にして煙に巻くことは簡単だ。それぞれの統計自体は正しくても、データは使い方次第で毒にも薬にもなるのだ。
 
このため、データに基づいて何らかの主張がされたときは、用意されたデータとは違うソースにあたることが重要になる。今回、家計調査からバター不足を見たのは、比較的ニュートラルなデータで現象を捉えようとしたためだ。データの見方に正解はないが、だからこそ複数のデータにあたることが大切だ。

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