最後の10億人がインターネットを使わない理由


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1476文字)


世界のインターネット利用者は、2015年末の時点で32億人だそうだ。Facebookが出資した調査の結果として報告された。インターネットを利用していない人は41億人。世界人口に占めるインターネット利用率は、32億人 ÷ ( 32億人 + 41億人 ) = 43.8%という計算になる。この数値を「もう40%強」とするか「まだ40%強」とするかは難しいところだが、あと数年で過半数に達するのは間違いないようだ(参考:世界のインターネット利用者、32億人に 調査報告|AFPBB News)。
 
参考にした記事で驚いたのが、10億もの人たちがインターネットを使わない理由。自分は見落としていたし、日本に住む多くの人たちにとっても気付きにくい理由だろう。言われてみれば当たり前でも、この理由にたどり着くのはなかなか難しいように思う。
 

ケーブル

credit: blickpixel via pixabay

 


「読み書きができない」は想像外


さて、10億人がインターネットを使わないその理由とは、「読み書きができない」ため。インターネットを使わない理由としては、ネット環境の未整備、経済的困窮、政治的弾圧などを思い浮かべるが、もっと根本的な理由があったのだ。ネットにいくら動画や画像が多くなっても、ユーザーインターフェースが直感に合うように改良されても、文字の読み書きができなければ確かにインターネットは使い難いだろう。「読み書きができない」は簡単に解決できる問題ではなく、インターネットを使わない「最後の10億人」になる可能性も高い。
 
この理由に驚くのは自分の想像力不足かも知れないが、識字率が高い日本に居ては気付かない人も多いように思う。一方で、この調査を設計した人たちはこの理由に気付いていたということだ。調査は、いくら完璧に実施しても、調査項目に設定していない事柄についてはデータが得られないもの。こういう自分では気付かない視点のデータを見ると、感心するばかりだ。
 


選択肢は「現場視点」と「脱近視眼」で!


もちろん、自分が実際に調査をする立場になれば、人は変わる。みずから「インターネットを使わない理由」の選択肢を考えることになったら、いろいろと想像を広げるので、「読み書きできない」にたどり着く可能性も高いように思う。現実的に考えれば、先行調査にあたった段階で気付かされるはずだ。
 
とは言え、調査をしていれば「それは聞いてなかった」というパターンが発生するのは避けられない。これを完全に回避する方法はないが、あえてコツを挙げるなら「現場視点」と「脱近視眼」だろうか。どんな商品を調査するにしても、「現場視点」でエンドユーザーをしっかり観察すれば新たな発見がある。また、調査側の思い込みを捨てる「脱近視眼」も、気付き難い視点の発見につながりやすい。今回の「インターネットを使わない理由」で言えば、前者がまさに「読み書きできない」、後者なら「使いたくない」、「インターネットを知らない」などとなる。
 
少しでも価値のある調査結果を得たいのなら、視点の豊富さは欠かせない。そして、いろいろな視点に気付くために一番役に立つのは他人の視点となる。調査結果を見るときは、それは自分が気付く視点なのかを考えながら読むといい。案外、今回のような意外な発見があるものだ。

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