子供用テスラの狙いはどこにある?


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電気自動車もいろいろあれど、何かと注目を集めるのがテスラモーターズだ。日本円で1,000万円を超える高級車ながら人気は上々で、納車まで1年以上という話もあった。イーロン・マスクCEOのビッグマウスばかり目立つようだが、2015年の出荷は5万台を超えており、徐々に実績も重ねてきている。
 
さて、このテスラモーターズが米おもちゃメーカー・Radio Flyerと組んで、子供用の小さな電気自動車を発売するという(参考:赤いワゴンのおもちゃで有名なRadio FlyerとTeslaが499ドルで子供用電気自動車「Model S」をローンチ|TechCrunch Japan)。価格は499ドル(1ドル110円換算で約5万5千円)とおもちゃにしては高額だが、大人用(?)のテスラと較べれば手が届きやすくなっている。さて、この子供用テスラの狙いはどこにあるのだろうか。
 

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credit: Ben_Kerckx via pixabay

 


子供用電気自動車は、遠い未来に向けた先行投資!?


まず、子供用電気自動車をたくさん売って、これ自体で儲けようという狙いは考え難い。テスラは、本業の電気自動車が好調で生産が追いつかないような状態。価格が100分の1にも満たない子供用で、細かく売上を積み上げる必要はないだろう。
 
常識的に考えれば、広報活動の一環といったところだろうか。テスラの技術、性能、格好良さを知ってもらうための話題づくりという位置付けだ。近寄りがたいイメージもある高級電気自動車メーカーが、子供用のおもちゃづくりに協力するとなれば感じが良いのも間違いない。
 
そして何より大きいのが、子供への直接的なアピールになること。この商品を通じて子供たちにテスラを知らしめれば、その先端性も相まって子供の憧れの自動車になる可能性も高いだろう。そうなれば、長期的視点での市場開拓につながることになる。ベンチャー企業というと目先の利益に邁進するイメージもあるが、今回のテスラの子供用電気自動車は、遠い未来に向けた先行投資とも捉えられる。
 


自分の業界なら、子供をどう狙う?


マクドナルドが日本に進出する際、将来を見越して子供をターゲットにしたという説がある。10年後、20年後に親となる世代にハンバーガーをなじませることで、市場の永続を狙ったという見立てだ。子供のころにマクドナルドで楽しい思い出があれば、自分の子供もマクドナルドに連れて行きたくなるだろう。事の真偽は定かではないが、このような連鎖を考えていてもおかしくない。
 
パソコン業界が教育産業に熱心なのも、同様の理由かも知れない。誰もが慣れ親しんだメーカーの端末、OSにシンパシーを抱くもの。早いうちから、自社の端末、OSを使ってもらうことの価値は計り知れないように思う。
 
相手が子供だけに具体化には細心の注意が必要だが、将来を見据えて子供を狙う発想は悪くない。そこで儲けようとせず、先行投資と割り切る余裕があれば成功の可能性も更に上がるだろう。どこの企業、業界でもできることではないとしても、先を見据える楽しいビジネス。自分の属する業界にあてはめて、何ができるか考えてみてはいかがだろうか。

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