娯楽の王様はテレビではなく動画だった!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1702文字)


2016年は「動画元年」だという。2014年も2015年も「動画元年」だったように思うが、そんな細かなことは気にしても仕方がない。動画に期待や注目が集まりながらも、その力をまだ存分に活かしきれていないというのが妥当な現状認識だろう。
 
とは言え、動画元年の影響は既にデータにあらわれている。通信機器大手・エリクソンが発表したレポートによれば、動画がモバイルデータ通信量に占める割合は2015年で約50%になっているというのだ。更に、2021年には、動画に使う通信量は2015年の10倍となり、モバイルデータ通信量の7割を占めるまでになるという(参考:世界のモバイルデータ通信量、21年までに10倍に=エリクソン|Reuters)。その力を活かしきれているかは別にして、動画がインターネットでたくさん見られているのは間違いない。
 
このデータから感じるのは、人は動画好きだということ。テレビの衰退が言われているが、そこで流されている「動画」は人気者のままなのだ。テレビと動画の関係は、「ドリルと穴」なのかも知れない。
 

ビデオ

credit: geralt via pixabay

 


動画が穴 = ベネフィット(便益、恩恵)


「ドリルと穴」は、マーケティング界のドラッカーと言われるセオドア・レビットが「マーケティング近視眼」の中で示した考え方。他の著書からの引用となるが、この事例の出来がよいため「ドリルと穴」と俗称されることになった。

人は製品を買うのではない。製品がもたらすベネフィットに対する期待を買うのである。〔略〕四分の一インチの穴を買うのであって、四分の一インチのドリルを買うのではない。
『レビットのマーケティング思考法』 セオドア・レビット/ダイヤモンド社/2002年)

ドリルがいくら売れたとしても、お客が求めているのは「ドリル」そのものではなく、ドリルによってあけられる「穴」の方。自分のビジネスに近視眼になると、目の前のことばかりを見てしまい、お客の真に求めているものを見失ってしまうという教えだ。
 
テレビと動画で言えば、テレビがドリル = 製品で、動画が穴 = ベネフィット(便益、恩恵)ということになる。テレビ離れが叫ばれているのは製品レベルで見るからであって、提供するベネフィットである動画自体の人気は衰えていない。テレビに問題があるとすれば、放送する動画の取捨選択や、動画の提供の仕方ということになるだろう。真の娯楽の王様は、テレビではなく動画だったのだ。
 


動画の人気の秘密は何なのか・・・


普通に考えれば、動画も製品のひとつ。お客が求めているのはもっと大きなベネフィットで、動画に注目することも近視眼だ。真に求めているものは、気軽に楽しめる娯楽といったところだろうか。動画にばかり注目していては、大きな変化に対応できない可能性が残ってしまう。
 
しかし、現実的に考えると、ちょっと違ってくる。インターネットが動画に乗っ取られた(?)ことからもわかる通り、動画の人気はかなり根強く、適当な代替物がそう簡単に登場しないと考えられるからだ。映画の時代から考えれば、動画は100年以上にわたって娯楽の王様。そう簡単に、その座を譲り渡すとは考えにくい。
 
動画はドリル = 製品に過ぎないことを忘れてはいけないが、実際にビジネスを進める限りにおいては動画をキーラインと考えるのが現実的だ。そして、動画の根強い人気の秘密をあぶり出すことこそが、動画の有効活用のポイントになるだろう。例えば、
 ●直感で理解できる
 ●目と耳への刺激が強い
 ●受け身で済む
などだが、熟考すればもっと本質的な魅力にたどりつくはずだ。何を活用するにしても、そのもの自体を深く知ることが第一歩。動画を使ったマーケティング等の成功のためには、この部分の掘り下げが重要になるように思われる。

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