北野天満宮に学ぶ行列解消法


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1439文字)


学問の神様として親しまれている北野天満宮が、行列の解消に成功した。毎年、受験シーズンに見られる本殿前の長蛇の列が、今年は短くなったという。これで参拝客が減っていないなら、かなりの効率化と言えよう。混雑を知って北野天満宮を避けていた人たちが参拝に来るようになれば、売上向上となる。神社には不似合いな言葉が並んだが、要はそういうことだ。
 
行列解消のポイントは、後から考えれば「やって当たり前」の工夫の成果。しかし、当たり前だからこそ、この事例に学ぶところは多い。
 

人間

credit: geralt via pixabay

 


ボトルネックは鈴の緒だった?


今回、北野天満宮が行なった工夫は「鈴の緒」の増設。賽銭を入れた後にガラガラとやるあの布綱を増やしたのだ。それも、元々1本だったものを6本にする大変更。このおかげで本殿前の行列が1列から6列に増えて、混雑緩和となったという(参考:北野天満宮、行列減らした「秘策」 こだわりの人に響く|朝日新聞)。
 
問題解決のきっかけは、鈴を鳴らしてお参りしたい人が多いことに気づいたこと。横に広がって鈴の緒のない場所での参拝を勧めても効果がなかったため、混雑原因の気づきに至った。ビジネスの言葉で言うなら、鈴の緒を混雑のボトルネックと見抜いたわけだ。
 
渋滞などでも、あるところまで混雑していて、そこから急にスムーズに進む箇所がある。そこがまさしく、ボトルネックだ。何らかの原因で、詰まりが生じている。人の流れでも、作業の流れでも、うまくいかないときは、このボトルネックを見極めて、その部分の詰まりを解消することが必要。北野天満宮は、このボトルネックに気づいたことになる。
 


「鈴の緒」は増やせる!


ボトルネックに気づいた後の対応も適切だ。鈴の緒は常識的に考えるなら賽銭箱1個に対して1本が相場(?)。それを一気に6本に増やした対応は、かなり柔軟と言えよう。
 
ボトルネックの解消では、「変えられない」という先入観、思い込みの排除が大切になる。古くから続けていることは変えられないと思いがち。そこがボトルネックになっている場合が多いのだ。この作業は誰々にしかできないとか、この工程をできる機械は1台しかないとか。もちろん、「変えられない」理由がある場合もあるが、そこを疑うことがボトルネック解消の一歩となる。
 
神社仏閣に対する知識は持ち合わせていないので滅多なことは言えないが、鈴の緒は1本が常識で、普通は増やすものではないだろう。ところが、鈴の緒は「変えられない」ものではなく、北野天満宮では増やせたということになる。
 


ボトルネック発見、「変えられない」排除の好事例


1本だった鈴の緒を6本にすれば、混雑が解消するのは当たり前。それがなされてから見れば、なぜ今までそうなっていなかったのかと思ってしまう。しかし、そこに気づくのが難しい。この部分の気づきこそが、問題解決の醍醐味でもある。
 
北野天満宮の鈴の緒増設による混雑解消は、ボトルネック発見、「変えられない」排除の好事例のように思われる。取り組んだのが神社と言うのもの、意外性があり記憶に残りやすいだろう。行列解消の問題を考えるとき、ぜひ思い出して欲しいものだ。

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