何にセンサーを付けるか、それが問題だ!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1643文字)


イギリスでおもしろいリサーチがはじまった。ハトを使って大気の状態をモニタリングする試みだ。このリサーチを可能にする仕掛けは、実験に参加するハトが背負わされるバックパックにある。バックパックが自動的に採取した大気とハトの飛行記録を分析することで、首都・ロンドンの大気を立体的に観測することができるのだ(参考:ウェアラブルは次のレベルへ―かわいいデバイスでハトが大気汚染をモニター|TechCrunch Japan)。
 
技術の進歩で各種デバイスが小さくなることにより、今まで困難だったいろいろなものが観測できるようになった。上の例でも、ハトが背負うバックパックの重さは「羽根一本くらい」であり、デバイスの小型化があってはじめて成立した実験だろう。デバイスの進化による観測可能なものの増加が、ビッグデータ活用の背景にあるのは間違いない。
 
現代は「センサーの時代」だ。さまざまなところに、周りの状態を自動で感知してデータ化するセンサーが埋め込まれている。細かな定義を別にすれば、ハトのバックパックも周りの状態を観測するという意味でセンサーの一種と言えるだろう。センサーに囲まれた状態は少し気味悪い気もするが、活用する側にとってはなかなか魅力的な環境だ。
 
さて、「センサーの時代」で重要となるのが、何のために、何にセンサーを付けて、何を観測するかということ。ハトと大気汚染のような絶妙な組み合わせを考え出せば、案外とビジネスのタネになるかも知れない。頭の体操がてら、各種センサーの取り付け場所を考えてみるのも、ビジネスのひとつの楽しみ方のように思う。
 

センサー

credit: beear via pixabay

 


犬や猫に大気センサーを付ければ・・・


ハトに付けたのと同じ大気センサーを付けるなら、犬や猫だろうか。町中を闊歩する犬猫が大気の情報を集めるようになったら、より詳細な大気汚染の分布が描けるかも知れない。北風のときはここに汚れた大気が貯まるとか、この場所は17時〜19時に空気の状態が最悪になるとか。今より細かなメッシュで空気の汚れがわかるようになりそうだ。
 
仮に、大気センサーを人間に付けられれば、今度は室内の空気状態がわかることになる。あのビルは空気が良いとか、地下鉄の○○駅は空気が悪いとかがわかりそうだ。大気の分析精度にもよるが、空気が悪くなる原因まで突き止められれば、良い/悪いがわかるだけと較べてはるかに実用的になる。センサーが瞬時に判断できることは限られるとしても、目的を明確にして運用の仕組みをつくれば、案外役に立つセンサーネットワークができるように思う。
 


大量のセンサーをばらまけば


街灯に人感センサーを付けるのもおもしろいだろう。人がいるかいないかで電灯のオン/オフを切り替えるのは無理にしても、人通りの量を何らかの形で測定できればかなりのデータになる。交通量調査の代替になるし、恒常的に測定した交通量は道路整備等の根拠にもなりそうだ。
 
先日紹介したスマホのセンサーを使った地震観測などもこの文脈で捉えることができる(参考:スマートフォンで地震を観測!?|ささびず)。大量のセンサーを広い範囲にばらまくことができれば、今までわからなかったことがわかるようになっても不思議はない。
 


ひとりで仮説を組み立てるのは自由


センサーで取ったデータを分析するのもおもしろいが、自分でセンサーを仕掛けられたらもっとおもしろい。実現するのは難しいとしても、ひとりで仮説を組み立てるのは自由だ。そして、そういう訓練(?)を積むことが、次のデータ活用に生きてくる。データのつながりを考える癖をつけるために、「何にセンサーを付けるか」を考えるのは悪くないように思う。

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