ニュージーランド国旗と決め方のマーケティング


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ニュージーランド国旗をめぐる国民投票の暫定集計結果が発表された。結果は「投票者の56.61%が現国旗を支持」となり、左上に大きくユニオンジャックがあしらわれた現在の国旗が引き続き使われることになりそうだ。郵送投票の未着分で逆転が起きる可能性は極めて低く、このまま決定という運びになるだろう(参考:NZ国旗変更をめぐる国民投票、現国旗支持が多数 暫定結果発表|AFPBB News)。
 
さて、国民投票まで行なう大騒ぎをした結果、「国旗は変更しないことにしました」では拍子抜けだが、これはこれで素晴らしい。ものごとをしっかりした手続きで決めれば、その決定の力が強まるからだ。
 

万国旗

credit: keizi5050 via pixabay

 


文句ない手続きでディフェンシブな決定に!


今回の国旗選定手続きはデザインの公募からはじまった。集まった新国旗のデザインは10,292点。この中から国旗検討委員会が40点に絞り込み、更に最終候補5点を選んで1回目の国民投票を実施した。この投票で選ばれたデザインと現国旗で再び国民投票が行なわれ、今回、現国旗を承認する結果となった訳だ。
 
この国旗選定の過程はオープンであり、その手続きには文句の付けようがない感じがする。現国旗の継続使用と言う結果にはそれぞれ意見があったとしても、これだけの手続きを経て選ばれた結果自体に異議を唱えるのは難しいだろう。決め方の手続きをしっかり整備したことで、ディフェンシブな決定ができたように見える。
 


決定は「人が従いたくなる仕組みづくり」


公にものごとを決めるとき、その決定に力をもたせようとするなら、その決め方が重要になる。もちろん、すべてを投票で決められるわけはないが、与えられた制約の中で妥当かつ公明正大な決め方をすることこそが価値だ。今回の国旗選定然り、今年行なわれている米大統領選然り。一定の手続きを踏むことで、そこにパワーが生まれてくる。
 
当然、組織の中でも、同じことが言える。決め方の手続きが明確であればあるほど、その決定は力を持ちやすいだろう。大勢集まった会議で何となく決まった感じになるよりも、社長なり担当部長なりが自分の権限と責任の元に決定したことの方が、人は従いやすい。民主的かどうかではなく、決め方の骨格がはっきりしていることが、力を生み出すのだ。
 
ここで大切なのが、決定の影響を受ける人の心理となる。決定に力をもたせたかったら、決定の顧客に注意を払う必要がある。たとえ正当な手続きであっても、それが影響を受ける人に理解されなければ、決定にパワーは生じないのだ。
 
マーケティングが売れる仕組みづくりなら、決定は「人が従いたくなる仕組みづくり」。そこで重要になる部分は共通で、顧客=決定の影響を受ける人の立場でものを考えること、すなわち顧客志向となる。ものごとを決定する際は、影響を受ける人の心理を考えて、従いやすくなる手続きを演出することが大切だ。

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