Amazonは容量無制限を守れるか?


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1475文字)


Amazonがオンラインストレージ「Unlimitedストレージ」の国内提供を開始した。年間13,800円で、その名の通り無制限に各種データを保存できるサービスだ(参考:アマゾン、容量無制限のオンラインストレージを年1万3800円で国内提供開始、3か月間は無料|Engadget Japanese)。
 
「容量無制限」は魅力的だが、いつまで持つかが心配だ。いくらAmazonがネットの巨人でも、正直、勝ち目のない勝負に挑んでいるように思えてならない。
 

 


ポイントは「一部のユーザー」


というのも、過去に「容量無制限」から撤退したサービスがいくつもあるからだ。MicrosoftのOneDriveは、「一部のユーザーが75Tバイトものデータのバックアップに使うようになった」ため、上限を1Tバイトにした(参考:Microsoft、「OneDrive」の無料容量縮小ヘ “容量無制限”は終了|ITmediaニュース)。Evernoteは、「大量のファイルの保管・バックアップという「これまでと違う用途」にEvernoteを使い始めるユーザが増え」たため、月間10Gバイトの制限を設けた(参考:Evernoteプレミアム、月間アップロード容量を「無制限」から「10Gバイト」に 「想像以上の混乱と問題」受け|ITmediaニュース)。Microsoftは約1年で、Evernoteは約4か月で容量無制限を放棄することになったのだ。
 
この2つの事例のポイントは、「一部のユーザー」の存在だろう。両社とも、ごく少数の特殊な使い方をするユーザーのために、撤退を余儀なくされた。Amazonだけこれらのユーザを寄せ付けない理由もなく、同様のユーザーが出現するのはほぼ必然。そうなると、後は意地の張り合い(?)にしかならない。
 


99.999%のニーズを満たしても・・・


これら「一部のユーザー」が、サービスを最大限活用しようとする善意のユーザーか、サービスを潰すことを狙った悪意のユーザかはわからない。ただ、いずれにしても、インターネット上のサービス提供には、こういう「一部のユーザー」が集まって来やすいところがある。広く一般に公開していて、空間的な距離の制約がないため、サービスの出来が良ければ良いほど、超がつくようなハードユーザをおびき寄せることになる。MicrosoftやEvernoteの問題ではなく、ネット上でのサービス提供の構図の問題だ。
 
象徴的なのが、Evernoteが月間上限10Gバイトを「これは既存ユーザの99.999%のニーズを満たす容量」と言ってるところ。つまり、問題は残りの0.001%ということだ。0.001%はごく少数だが、そういうレベルのユーザーがわんさか集まってきかねないのがネット上のサービスのリスクとなる。
 
Amazonが、MicrosoftやEvernoteの事例を知らないはずもなく、そういう「一部のユーザー」を受け入れる覚悟で容量無制限を掲げたのは間違いないだろう。しかし、おかしなユーザーは想像を軽く超えてくるのも確か。意地の張り合いになり、最後はAmazon側が負ける、つまり「容量無制限」から撤退する可能性が高いのではないだろうか。

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