iPhone 7、イヤホンジャック廃止がらしくない


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1625文字)


AppleがiPhone 7を発表した。
2007年の初代から数えて、記念すべき10代目だ(2016年3月発売のiPhone SEは亜流なのでカウントせず)。iPhoneも製品として成熟しつつあり、革新性を感じるような新機能は見当たらないが、着実に前進している感じ。買い替え需要をどのくらい喚起できるかは別にして、魅力的な製品であることに変わりはない。
 
このiPhone 7で話題になっているのが、イヤホンジャック(3.5mmステレオミニジャック)の廃止。これまであって当たり前だったイヤホンジャックがなくなるのだから、「今までのイヤホンは使えないの?」という疑問が出るのは当然だろう。実際には、従来のイヤホンも使えるのだが、ここが極めてAppleらしくないところだ。Appleは、いつからこんなユーザーに優しい会社になってしまったのだろうか。
 

credit: FirmBee via pixabay

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理想形をつくって、後はご自由に!


Appleの旧規格廃止で有名なのが初代iMacのフロッピードライブ。当時、まだまだ誰もが使っていたフロッピードライブをなくしたのだから、びっくりした。付いているのはUSBポートのみで、必要な人はそこに外付けドライブを付けてくださいというスタンス。Apple純正のドライブが売っていたかは記憶が定かではないが、基本的には「フロッピーなんて使うな」という強いメッセージを感じたものだ。
 
最近の無印MacBookもこのパターンといえよう。これまでのUSBポートを廃止して、あるのはUSB TYPE-Cがひとつのみ。多くの人は、従来のUSBへの変換アダプタを使ったり、二股、三股のコネクタをつけて利用しているようだが、その部分はすべてユーザーにお任せだ。MacBookに従来のUSBは不要と判断して、それを実行しただけ。一切のフォローはない。
 
一般ユーザーというのは、現状維持志向が強いもの。これまで使ってきた機器等を使いたいので、規格の変更や廃止を喜ばない。しかし、この現状維持のニーズに従っていては前に進めないので、Appleはポイントポイントでみずからが理想形と考えるデバイスを発売する。それに不満の声が出ても取り合わず、後は拡張等でご自由にというスタンス。これまでのAppleの旧規格退治は、このパターンが多かったように思う。
 


ジョブズがいたらとは言わないが・・・


改めて、今回のiPhone 7についてイヤホン関連の仕様をまとめると次の通り。

●イヤホンジャックは廃止

●Lightning端子対応イヤホンが標準で付属

●Lightning端子からイヤホンジェックへの変換アダプタも標準で付属

●ワイヤレスイヤホン「AirPods」は別売り

 
ポイントは上から3つめ。せっかく、古い規格をiPhone本体から排除したのに、変換アダプタを付属させるのだからやることが中途半端だ。これでは、イヤホンジャックをなくしても、従来のイヤホンを使う人がかなり残ってしまう。ここが、らしくない。今までのAppleなら、変換アダプタはオプションだっただろう。力づくでイヤホンの標準規格を変える方がAppleらしいし、そこまでやってこそ世の中が変わっていく。
 
もちろん、この方がユーザーに優しいものの、変換アダプタが標準で付属するような譲歩はAppleらしくない。今回の弱気はちょっと残念で、今後が不安になるものでもある。ジョブズがいたらとは言わないが、みずからの理想形を押し付けてこそのApple。変換アダプタ1個で大袈裟かも知れないが、見逃せない変化のように思われる。

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