禁煙席で「iQOS」は吸える?吸えない?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1950文字)


加熱式タバコ「iQOS(アイコス)」が好調だ。iQOSを吸うためのキットの累計販売台数が100万台を超え、専用葉たばこ「ヒートスティック」のシェアが2.7%まで伸びてきているというのだから、かなり存在感が出てきていると言えよう(参考:アングル:想定上回る「iQOS」人気、従来型たばこの販売に影響も|ロイター)。
 
ここで誰もが気付く素朴な疑問は、禁煙席で「iQOS」を吸っていいのかということ。iQOSは「煙の出ないタバコ」なので、字義的には吸っていいことになるのだが、そう簡単にはいかないだろう。更なるヒットの前に、考えておいて損はない問題だ。
 

  


理屈で考えれば・・・


iQOSは、葉たばこを加熱して蒸気を発生させ、それを吸い込む仕組み。iQOSキットは充電器と本体(ホルダー)からなり、このホルダーに葉たばこのカートリッジを挿入して吸うことになる。加熱はするものの火は使わず、「煙のようなもの」は出るものの、それは水蒸気であって副流煙ではない。つまり、禁煙にする理由である、火気と煙の危険はない訳だ。自分はタバコを吸わないので試してみることはできないが、味はまあまあらしい。
 
火気がなく、煙が出ないなら、タバコを吸うことによる周りへの悪影響はほとんどないだろう。実際に煙も出ないわけで、理屈だけで考えれば、禁煙席でiQOSを吸っていけない理由はないことになる。
 


「嫌煙」の実情を踏まえると・・・


ただし、今の世の流れは「嫌煙」。「タバコは他人に迷惑をかけるからいけない」というより、「タバコを吸うこと自体がけしからん」という風潮にある。もちろん、タバコを吸う当人の健康を考えてのこともあるだろうが、喫煙への差別がヘイトの域に達している印象さえ受ける程だ。
 
このような状況で、「煙は出ないから」などと言って、禁煙席でタバコを吸おうとする人は皆無に近いだろう。要は、多くのiQOSユーザは、喫煙所で煙の出ないiQOSを吸うというおかしなことになる。わざわざ、普通のタバコを吸う人の副流煙を吸いに行っているようなもので健康に悪そうだが、文句を言っても「タバコを吸うのが悪い」の一言で片付けられそうだ。
 
禁煙席/喫煙席を設ける側も、喫煙者より非喫煙者への配慮を優先するはず。iQOSが実際にどんな製品であれ、吸う側も吸われる側も、iQOSを普通のタバコと同じ扱いにするのが現実的だろう。つまり、「禁煙席でiQOSは吸えない」がここでの結論となる。
 


後手に回るな、先手、先手!


実は、iQOSのホームページに以下の注意書きがある。かなり長いが引用する。

IQOS使用者の皆様へ

IQOSを使用する際は、たばこ製品の使用に関する各地のルールに従って頂くようお願い致します。一部の自治体では、紙巻たばこの喫煙が禁止されている路上の場所であってもIQOSの使用が認められています。また、禁煙スペースであってもIQOSの使用を認めている飲食店等もあります。但し、いずれの場合も使用する際は常に周りの方々、特にお子様に十分お気遣い頂くようお願い致します。

IQOSは火を使わず、灰が出ず、やけどをさせる心配もありません。IQOSが発生させるたばこベイパーは、紙巻たばこと比べて、においが少なく、素早く消えて屋内環境に悪影響を及ぼしません。IQOSのようなたばこ葉を燃やさず加熱する製品が従来の紙巻たばことは大きく異なるということを前提とした規制が今後なされることを期待しています。また、このような成人喫煙者向け製品は、学校のように、主に未成年が使用する場所では禁止されるべきだと考えています。

iQOSの特性を強調しながらも、ユーザーに「たばこ製品の使用に関する各地のルール」に従うよう求めるもので、販売側もiQOSのタバコ扱いを推奨しているようだ。
 
いろいろ考える限り、「iQOS=タバコ」という認識で取り扱うのが間違いないと思うが、これが広くコンセンサスを得られてないのも確か。上でも書いたように反論のしようはあるし、世の中には変わった人もたくさんいる。禁煙席を設けるようなビジネスに関わっているなら、自分たちがiQOSをどう位置付けるのかを考え、理論武装しておいて損はない。何事も、「後手に回るな、先手、先手!」。iQOSが更なる流行になる前に、早め早めの議論をオススメしたい。

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