ステーキ屋のグラム表示に違和感あり


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1212文字)


ステーキ屋のメニューには、必ずと言っていいほどグラム数の表示がある。肉にヒレ150g、サーロイン250gなどとあるだけでなく、ライスまでご丁寧に普通200g、中盛300g、大盛400gなどと書いてあるのだ。ライスをグラム数で表示されても量がピンと来ないが、普通200gとあるところで大盛400gを食べれば、たくさん食べたことが数値化される。案外、こんなことがステーキ好きの顧客の満足向上につながり、広まっていったのかも知れない。
 
さて、肉とライスのグラム表示が同じメニューに並んでいることに、違和感を覚えないだろうか。ちょっと座りが悪く、むず痒くなるような感じ。データに敏感な人なら気づくと思うのだが、いかがだろう。
 

credit: markusspiske via pixabay

credit: markusspiske via pixabay

 


肉のグラム数は・・・


もったいぶっても仕方ないので結論から書くと、肉は調理前の重さ、ライスは調理後の重さなので、データの質が揃っていない。同じようにグラム数が表示されていても、それらは異なったタイプのデータなのだ。ライスのグラム数は食べる量そのものだが、肉のグラム数は口に入れる量ではない。肉は、焼くことで化学変化(?)が起こり、重さが80%〜90%程度になると言われている。このため、ライスが実測値なのに対し、肉の方は実測値とは異なる値となる。
 
肉質や焼き方でグラム数の減少幅は変わってしまうため調理後の重さを推測するのは難しく、また、焼いた後の肉の量を測るのはおかしな感じ。技術的に困難なので質の揃わないデータが並んでしまっているのだろうが、データの質が違っていることに変わりはない。この状態が、データに敏感な人にはむず痒く見えるわけだ。
 


質の違うデータに要注意!


結果、肉150g、ライス300gを食べた人が、「自分は肉の2倍のライスを食べた」と言えば、それは間違いとなる。わざわざこんなことを言う人はいないし、間違っていても別にどうということはないが、データの質が揃っていないというのは、そういうこと。質の違うデータを、足し合わせたり、比べたりしてはいけないのだ。商品の税抜き価格と税込み価格を比較しても意味がないのと同じように、肉のグラム数とライスのグラム数を比べるのはナンセンスとなる。
 
もちろん、ステーキ屋で肉とライスのグラム数のデータの質が違ってもどうということはないのだが、このようなところに気づくセンスがデータを扱う上ではかなり重要になる。出てきた数値そのものより、そのデータの持つ意味や価値を吟味することこそが、データ活用では大切なのだ。データを充分有効に活用したいのなら、こういうセンスを磨くことも必要だろう。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.