スプレー式紅茶は普及するのか


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1450文字)


イギリスで、スプレー式紅茶が発売されたという。「濃縮タイプの紅茶をスプレーでカップに注ぎ、お湯や牛乳を好みで入れる」ことで、一杯の紅茶が完成する。ティーポット、ティーバッグに続く、第三の紅茶の淹れ方といったところだろうか(参考:英国でスプレー式紅茶が登場、ティーバッグの時代は終わりか|ロイター)。
 
さて、このアイデアが第三の選択肢になるかは、当然、これが普及するかにかかっている。この方式が充分普及するかは、おもしろい問いかけのように思う。
 

credit: freephotocc via pixabay

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ターゲットはいつでも、どこでも


まず、ネットで散見されたのが、スプレー式では紅茶本来の楽しみ方ができないという意見。休日の午後に自宅のリビングでくつろぎながら飲む一杯、ホテルのラウンジや紅茶専門店で楽しむアフタヌーンティーのようなものをイメージして、そういう楽しみ方には向いていないという見解だ。もちろん、この見解自体はその通りなのだが、やや的はずれな感は否めない。紅茶を飲むシチュエーションはたくさんあり、この商品の狙いがこういう飲み方をする人たちにあるとは考えにくいからだ。
 
この商品が狙っているのは、いつでも、どこでも紅茶が飲みたいというニーズだろう。出勤前の慌ただしい朝の食卓で、それでもどうしても紅茶が飲みたい。要は、ティーバッグの代わる位置付けだ。ただし、必ずしも置き換わる必要はない。商売として成立するだけの市場を確保し、長期間にわたって店頭に並ぶことに成功すれば、充分普及したと言っていいだろう。周りがなんと言おうと、ターゲットにさえ受け入れられれば、一定の成功は期待できるのだ。
 


味、便利さ、価格のバランス次第


参考にした記事だけの情報なので商品の詳細はわからないが、この商品をあえて評価するなら「仮説として成立している」といったところだろうか。より便利に紅茶を飲みたい人に、ティーバッグよりも手間のかからない商品を提案しているのだから、話の筋道は通っている。この点で、最低限のハードルはクリアしていると言えよう。
 
後は、味と、便利さと、価格のバランス次第。もっと簡単に紅茶を飲みたいというニーズはあると思われるので、これにどれくらい応えられるかにかかっている。当然、ここから先が難しいのだが、現在わかる範囲ではこのぐらいの分析(?)が限界だろう。
 


それは誰の意見ですか?


新しい商品コンセプトが出ると、ああでもないこうでもないという意見が出る。このときポイントとなるのは、商品のターゲットがどういう反応をしているかだ。たとえば、このスプレー式紅茶の場合、いつでも、どこでも簡単に紅茶を飲みたい人の意見。紅茶はお店でしか飲まない人の意見を気にしても仕方がない。
 
今の時代、SNSなどの影響もあり、商品についてさまざまな意見が飛び込んでくる。このとき、人の意見に耳を傾けることは大切だが、誰の意見を重視するかがさらに重要だ。ターゲット以外からの意見を参考にするのはいいが、要望などにいちいち応えてしまっては、商品コンセプトがぶれぶれになる。人の話に耳を傾けるときにもターゲッティング。外野の声に惑わされず、ターゲットの意見に集中することが大切になる。

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