「広島焼き」が放送禁止用語になった日


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1456文字)


俗に、放送禁止用語と言われるものがある。「この言葉を使ってはいけない」という明文化された決まりがあるわけではないものの、メディア等で自主的に使用が控えられている言葉。その性格上、公にされたリストのようなものはないが、誰でも1つや2つは思い浮かぶだろう。差別的な表現だったり、猥褻な言葉だったり。「放送禁止」というワードのニュアンスから、「不適切な言葉」と捉える人も多いように思う。
 
ただし、ある言葉の使用が控えられる理由は、「不適切」以外にもいろいろあるようだ。例えば、つい先日は、「広島焼き」が放送禁止用語になる瞬間を目にすることとなった。
 

 


「広島焼き」に抗議が来た!


「広島焼き」が放送禁止用語となったのは、NHKのバラエティ番組『サラメシ』でのこと。番組内で使われた「広島焼き」のテロップに、広島の視聴者から抗議が寄せられたという。その結果、同番組の再放送では、当該テロップは「お好み焼き」に差し替え。「広島焼き」という言葉が、放送から消えた瞬間というわけだ(参考:「広島焼き」なんてものはない!と抗議 県民の「お好み焼き愛」でNHK『サラメシ』がテロップ修正|産経ニュース)。
 
もちろん、この一件をもって、「広島焼きが放送禁止用語になった日」というのは言い過ぎだろう。ただ、この事例が広く知れ渡れば、あえて「広島焼き」という言葉を使う番組製作者は少なくなるはず。抗議が来れば余計な面倒が増えるだけなので、まさに自主的に使用しなくなるわけだ。放送禁止用語というと言葉がきついが、今後、「広島焼き」の使用が控えられる可能性はかなり高いように思う。
 
ある特定の言葉を使用することが正しい/正しくないという議論に興味はないが、実務を考えれば、使用/不使用には作業する人間の心理が大きな意味を持つ。広島焼き同様、「不適切な言葉」ではないにも関わらず使用を控えられている言葉は数多いのではないだろうか。差別語、猥褻語など本質的に使用を控えたほうがいい言葉に対して、対症療法的に使用を控える言葉があるという見立てだ。使用を控えるかどうかは、抗議する人がいるかどうかにかかっているのかも知れない。
 


「やってはいけない」を疑えば、ビジネスになる!?


さて、話を少しずらして、ビジネスでの「やってはいけない」はどうだろうか。社会倫理や公序良俗に反することをしてはいけないのは当然として、ビジネスの世界には出所不明の「やってはいけない」が案外多いように思われる。特に、会社や業界の常識、ビジネスマナーの類はかなり怪しい。以前、(一度だけ?)誰かに抗議されたから「やってはいけない」などもありそうだ。
 
放送禁止用語と同じように、本質的な「やってはいけない」と対症療法的な「やってはいけない」があるのなら、後者はビジネスのタネになってもおかしくない。しっかりした理由もなく多くの人が避けていることがあるなら、それを独占的にやってみれば差別化になるかも知れないからだ。数ある「やってはいけない」の中から、対症療法的な「やってはいけない」を探し出す方法は、新たなビジネスのタネを見付け出すアプローチとして悪くないように思われる。

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