「万能ねぎ」は万能か?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1816文字)


外で食事をしていると、「万能ねぎ」の不意打ちに驚くことがある。気付くと、「なぜこの料理に?」と思うようなものにまで、万能ねぎがトッピングされているのだ。以前びっくりしたのは、よく行くインド料理店。本格的なインドカレーに、ある日、突如として万能ねぎが添えられるようになった。数か月後には元に戻ったので一時の気の迷いだったのだろうが、何とも不思議な組み合わせだ。他で言えば、アジのたたき、出し巻き玉子、パスタなどの上の万能ねぎにも驚かされた。
 
さて、なぜかどんな料理にも紛れ込む万能ねぎ。統計を取ったわけではないが、このような万能ねぎの過剰サービス(?)は案外多いように思う。「万能ねぎの万能化」とでも言おうか。名前に「万能」と付いているとは言え、万能ねぎはそこまで万能でないと思うのだが、いかがだろうか。
 

 


アクセント? におい消し? 健康にいい? 何となく!?


いろんな料理に万能ねぎが添えられ理由ははっきりしないが、ひとつに見た目の問題があるだろう。冒頭の例で言えば、黄色や茶褐色のインドカレーに万能ねぎが加わることで、緑がアクセントになる。料理は味だけでなく見た目も重要。彩りを添えるために、万能ねぎが使われていても不思議はない。
 
万能ねぎもネギの一種なので、薬味やにおい消しとして使われている可能性も高い。生ものなどに振りかけられている(脇に添えられているのではない!)万能ねぎはこの類だろうか。出し巻き玉子なども同じ狙いなのかも知れないが、組み合わせがやや不思議な感じ。料理の味は好みの問題とはいえ、個人的にはしっくりこない。
 
万能ねぎが健康にいいという説もある。料理に紛れ込む程度の量では効果はあやしいが、何事も気の持ちよう。お客に少しでも健康になってもらおうという気遣いかも知れない。
 
どんな料理にも進出している万能ねぎを見て一番疑っているのが、実は「他の店もやっているので」、「前からそうしているから」といった消極的な理由。深く考えずに、何となく続けているパターンだ。どこにでも出現する万能ねぎの節操のなさを考えると、こんな可能性もあるように思う。
 


「博多万能ねぎ」キャンペーンの名残りの可能性も


ここまで料理の上に乗るものを「万能ねぎ」としてきたが、正確には若取りした小さな青ネギ全般とした方が正しいだろう。万能ねぎは、素直に考えれば登録商標である「博多万能ねぎ」のこと。料理に振りかかる小さな青ネギが「博多万能ねぎ」かその他の青ネギかは、多くの人にはわからないからだ。もしかすると、アサツキかも知れないし、ワケギだって不思議はない。正直に言えば、キャッチに使った画像も「博多万能ねぎ」とは限らない(たぶん、違う)。
 
そして、この「博多万能ねぎ」が、この問題(?)のキーとなってる可能性も高い。関東ではあまり一般的でなかった青ネギが、「博多万能ねぎ」という新しいネーミングによって急速に広まったというマーケティング上の伝説があるからだ。もちろん、万能ねぎを大量に消費するような料理が主軸のキャペーンだっただろうが、料理への振りかけも推奨されていて不思議はない。昭和50年代のことだが、その名残りで万能ねぎのトッピングが続いているという見立てもできる。
 


あなたのお店は万能ねぎを喜ぶ人がターゲットですか?


さて、「万能ねぎの万能化」の真相はわからないが、何にでも添えられる万能ねぎから「安易さ」を感じるのは自分だけでないだろう。もちろん、それを喜ぶ人がいるから万能ねぎは添えられるのだろうが、そこに疑問を感じる人も多いはずだ。
 
当然ながら、料理に万能ねぎを乗せることが正しいか、正しくないかを争っても仕方がない。ポイントは、あなたのお店のお客が万能ねぎを喜びそうな客層かという一点だ。今回の議論はことがたかが万能ねぎなので「どうでもいい」が正解だが、好みにまつわることの正解はターゲットとフィットしているかに尽きる。そして、「何となく」続けているだけなら、まずあなたの客層と合っているか考え直すことが正解だ。

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