ボディカメラが標準装備になる日


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1661文字)


アメリカでは、現在警察の20%ほどがボディカメラを利用しているという。警察官による容疑者への暴行が問題視される中、適正な捜査活動をしていることを示す狙いだろう。日本でも進められている「取り調べの可視化」の、更に先を行く取り組みと言えよう。
 
さて、先日、ボディカメラの採用を後押しするようなニュースがあった。ボディカメラ大手のAxon社が、「問い合わせがあった警察署にはどこにでも、ボディカメラとソフトウェアを無料提供する」と発表したのだ。狙いは当然、警察が利用するボディカメラのデファクト・スタンダード。無料だというだけで何でも広く普及するほどビジネスは甘くないが、今回の提案はタイミングがいい印象を受ける。これをきっかけにボディカメラの採用が更に増えて、警察官の標準装備になる可能性は高いように思う(参考:Axonに名前を変えたTaserが警察に対して無償でボディカメラを提供|TechCrunch Japan)。

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さて、日本の警察がボディカメラを採用したという話は聞かないが、何事も記録する/監視するのが今の世の中。自己防衛のためにドライブレコーダーを搭載する車が増えたように、個人を中心にボディカメラが広まっても不思議がないのではないだろうか。
 


ボディカメラは「やってない」を証明できる


警察官のボディカメラは、制服の胸のあたりの部分に付けて、映像、音声、位置情報等を記録する。メガネ型のウェアラブル端末とは違って視線の先を記録するものではないが、映像から自分の行動や周囲の状況をかなり正確に把握できるだろう。
 
ボディカメラの利点は「やってない」ことを証明できるところ。行動のすべてを映像等で記録するため、一般的には難しいとされる「やってない」の証明が可能となるのだ。もちろん、カメラに映らないように悪さをすることが絶対できないとは言い切れないが、音声も記録していることを考えるとかなり難しいだろう。だからこそ、警官が適正な捜査活動をしていることを示す狙いで採用されるわけだ。
 


用途は身の潔白の証明?子供の防犯??


ボディカメラを個人が身に付ければ、自分の身の潔白を証明できることになる。当然、多くの人は身の潔白を証明しなくてはならないような事態に追い込まれないが、そこは考えよう。例えば、チェーン店の店員が、お客に失礼な対応をしていないか、監視される日が来るかも知れない。音声を文字起こしして、問題のある発言を抽出するなどの流れは、容易に想像できる。
 
もう少し現実的に考えれば、子供の防犯等の用途だろうか。最近は防犯ブザーを持ち歩いている子供をよく見かけるが、あの発想だ。犯罪抑止という意味では、ボディカメラを併用すれば更に安全になるだろう。教室等でも付けるようにすれば、教師の体罰防止、いじめの発見にも役立ちそうだ。
 
自分の想像力では、このくらいしか用途は思い浮かばないが、映像、音声、位置情報等を記録できるボディカメラの、ツールとしてのポテンシャルは大きい。今後、ボディカメラの特徴が広く知れ渡れば、いろいろな用途で使われるようになるように思う。
 


好むと好まざるとに関わらず・・・


そこまで相互監視する社会が、多くの人にとって望ましい世の中はわからない。他人のプライベートが映り込む危険や、記録した大量の映像等の保存方法など、ボディカメラの個人使用には乗り越えるべき課題も多いだろう。ただし、ボディカメラに一定の利があるのも確か。そして、好むと好まざるとに関わらず、一度勢いが付けば何かに流されるように動いていくのが、人の世の常というものだ。そう遠くない将来、誰もがボディカメラを身につける日が来ても不思議はないように考えている。

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