行列の待ち時間を予測する計算式は・・・


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今週末からはじまるゴールデンウィーク。今年のカレンダーの場合、4月29日(土)〜5月7日(日)の9連休が最長だろうか。どこまで休みを取れるかは人それぞれだが、旅行や行楽の予定を立てている人も多いことだろう。
 
さて、ゴールデンウィークの行楽に付きものなのが、どこかしこで見られる長い行列。多くの人が同じ日に休みを取って行楽地に集中するのだから当然といえば当然だが、なかなかうんざりする状態だ。そして、長い行列に並ぶストレスのひとつが、いつまで待てばいいのかわからないこと。そこで今回は、行列の待ち時間を予測する計算式を紹介しよう。
 

credit: aykapog via pixabay

 


1分間に自分の後ろに増える人数をカウントして・・・


行列の待ち時間は、「リトルの法則」を使うことで計算できる。具体的には、次の計算式で計算可能だ。
行列の待ち時間(分) =
   自分の前に並んでいる人数(人) ÷ 1分間に自分の後ろに増える人数(人/分)

 
「後ろに増える人数」をカウントするところがやや不思議だろうが、これで間違いはない。この計算式を使えば、「一応」、行列の待ち時間の計算ができる。
 


1分間に自分の後ろに増える人数 = 1分間に減る行列の人数!?


では、なぜ「1分間に自分の後に増える人数」で割るかと言えば、
   1分間に自分の後ろに増える人数 = 1分間に減る行列の人数
と考えるため。実は、「リトルの法則」には「行列の長さは変わらない」という前提がある。全体の人数が変わらないなら、増加分=減少分なので、「増える人数 = 減る人数(例えば、店に入った人数)」が成立するわけだ。
 
単純に考えれば、待ち時間の計算式は次のようになるはず。
行列の待ち時間(分) =
   自分の前に並んでいる人数(人) ÷ 1分間に減る行列の人数(人/分)

これに「増える人数 = 減る人数」の置換を加えてできたのが最初の計算式となる。
 


「リトルの法則」は実用性なし!


さて、行列の待ち時間の計算方法として「リトルの法則」がよく取り上げられているのでここでも紹介してみた。ただし、この計算式は、実はまったく実用的でない。上で、「一応」としたのはそのためだ。
 
その理由は、まず、そこまで長くない行列なら、「1分間に減る行列の人数」を数えたほうが確実だということ。減る人数は、目の前から消えてしまうので数えにくいが、行列の長さが変わらないという前提を置くよりは無理がない。
 
極端に長い行列なら、減る人数は遠くて数えにくいので増える人数を数えるのもわかるが、この場合はそもそも「自分の前に並んでいる人数」がわからないので待ち時間は計算できない。全体の人数が数えられるくらい見通しがいいのなら、減る人数も数えられるはずだ。こう考えていくと、積極的に「増える人数」をカウントする理由がないことがわかるだろう。
 
「リトルの法則」は、後に並ぶ人数で割るところがおもしろいのでよく紹介されるが、素直に「減った人数」で割ったほうが正確な待ち時間が計算できる。計算式の形で示されると信じてしまう人も多いが、自分で改めて式の意味を解釈しようとすれば、あまり役立たないことがわかるだろう。「リトルの法則」は、ネット上のシステムの待ち行列などでは役に立つと聞くが、実際にあるリアルな行列では実用性に乏しいと考えられる。
 
記事の惹句にした「行列の待ち時間を予測する計算式」はこちらの数式のほう。

行列の待ち時間(分) =
  自分の前に並んでいる人数(人) ÷ 1分間に減る行列の人数(人/分)

リトルの法則に惑わされず、素直に「1分間に減る人数」で割ることをオススメしたい。自分の前に並んでいる人数や1分間に減る行列の人数が数えられないなら、そんな行列には並ばないのがオススメだ。
 


お店は待ち時間情報の提供を!


一方で、お客を並ばせるお店側が、待ち時間算出の手助けをすることには期待したい。今並んでいるのは1分間に何人くらい減らせる行列なのか、その人は前から何番目くらいなのかなどは、行列に並んでいる誰もが欲しがる情報だろう。これを知らせる取り組みはもっと積極的に行なわれていいように思う。
 
行列の進み具合は予想通りになるとは限らず、約束できない手形を切らないのはビジネスの鉄則。いくら「予想です」の注釈をつけても、一度予定した時間をオーバーすれば怒り出す人が出てもおかしくない。その意味で、「1分間に減る人数」等の情報を公開しないのは賢明なのだが、ビジネスはバランスが大切だ。
 
リスクをマネジメントすると同時に、お客の気持ちをマーケティングする必要がある。つまり、並んでいる人の快/不快と怒り出す人が出るリスクを天秤にかけるということ。事なかれで待ち時間を知らせてないのなら、これらの情報の提供は一考に値するように思う。せっかく貴重な時間を割いて並んでくれているのだから、少しでも「快適な行列」になるよう心がけたいものだ。

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