カテゴリー : アイデア

ニーズとは何か? 〜定義とバズワード対策〜


この記事の所要時間: 110秒 〜 210秒程度(862文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
マーケティングと言ってまず最初に頭に浮かぶ単語がニーズだという人は多いでしょう。顧客ニーズがマーケティングの出発点ですから、当たり前です。しかし、このニーズという単語は人によって使い方が違う厄介な単語でもあります。一つ間違えば、バズワード=「定義があやしい流行語」と思われても仕方ありません。
 
佐々木はニーズ、そして関連用語のウォンツ、需要を以下のように捉えています。

ニーズ、ウォンツ、需要
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ニーズは欠乏状態そのもののこと(お腹が減った)、具体化されるとウォンツ(ハンバーガーが食べたい)、購買力が伴うと需要(ビッグマックにしよう)という構図です。「近代マーケティングの父」と称されるフィリップ・コトラーの定義そのものですね。
 
日ごろ話していると、これとは別の意味でニーズという言葉を使う人がいます。「我が社の製品◯◯のニーズが伸びている」といった具合です。当然、そんなときにいちいち言葉の定義を争ったりはしません。「この人は、需要のことをニーズと言っているんだな」と考えながら話を合わせます。話し相手は、今度はウォンツの意味でニーズという言葉を使ったりしますが、そのときはそのときで適宜対処します。
 
定義が曖昧な言葉については、このような対処をできることが重要だと考えています。コトラーが「現代マーケティングの第一人者」だからといって、彼の定義が絶対的な正解だということはありません。どんな定義でもいいのです。しっかり体系化された定義を知っていることで、違った用語の使い方をする人がいても対処が可能なことが大切です。言い換えれば、自分なりの語釈を持っていないと相手の言葉の使い方のブレに巻き込まれ、話が進まない事態に陥り兼ねません。

バズワード対策の一つの有効な対策として、自分なりの定義を持つことが役立ちます。それが正解か不正解は関係ありません。しっかり体系立っていて矛盾のない定義を持つことが重要だと考えています。

“相互評価のインフレーション”考 〜または中小企業診断士が“先生”である理由について〜


この記事の所要時間: 120秒 〜 220秒程度(947文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
最近、閉じた世界での“評価のインフレーション”が気になっています。
自分たち専門家にしかわからない独自の評価基準をつくり、それを元に仲間内で褒め合って互いに「スゴイ」ことにしてしまう構図です。図示すると以下のようになります。
 

相互評価のインフレーション
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わかりやすい例を出すなら、お笑い芸人の世界でしょうか。互いの笑いのセンスを褒め合うことで、まるで才能ある芸人の集まりのように見せています。外からは、何がセンスなのかよくわかりません。もちろん、中には本当の天才芸人もいるのでしょうが、スゴイ芸人が多過ぎます。そこで評価のインフレーションと言ったわけです。
 
小説家(特にミステリ作家)、料理人、現代芸術家の世界なんかも同じように映ります。政治家の政策通なんて言うのもそうでしょう。評価の基準が曖昧なものは、自分たちで評価のインフレーションを起こすことが可能なのです。評論家が役立つように思う方もいるでしょうが、彼ら彼女らの多くは半分仲間のようなものなのでうまく機能しません。
 
この状態を、虚構だと批判したり、騙されないように促したりするつもりはありません。評価のインフレーションが本当に大きな悪影響を与えるような世界なら、そのうち外部に客観的な評価基準ができると思っているからです。病院の評価などが好例です。言い換えれば、外部に基準ができないようなものは、大勢に影響を与えないだろうから放っておけばいいと考えています。ただし、自分に直接関係がない場合に限りますが、・・・。
 
さて、一番心配なのは、自分がこの評価のインフレーションを起こしてないか、また、インフレーションな評価を受けることで勘違いしていないかです。中小企業診断士の世界も、お互いを無駄に褒め合う習慣があります。お互いを“先生”と呼び合うのなどその典型でしょう。お客さまの前で自覚的にやっているうちはいいのですが、だんだん感覚が麻痺してきてしまいます。そんなことを繰り返して、「自分はスゴイんだな」なんて思うようになったらお終いでしょう。
 
褒められるだけの実力をつけて、評価のインフレーションにならないようにしたいものです。

なぜ家電メーカーは赤字なのか?


この記事の所要時間: 040秒 〜 140秒程度(590文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
インターネットを徘徊していると、たまにドキッとするほど雄弁な画像を見ることがあります。
 

photo credit : 涙目で仕事しないSE photo credit: 涙目で仕事しないSE

 
これは涙目で仕事しないSEで「なぜ家電メーカーが赤字なのか一目でわかる画像」として紹介されていた画像です。日常的に使っていた多数の電子機器が、アプリケーション化によって一つのガジェットに統合されたことが一目瞭然にわかります。このことが家電メーカー赤字の原因のどの程度を占めるかはわかりませんが、刺激的でいろいろなヒントを貰える画像であることは間違いありません。
 
こういうメッセージ性の強い画像には大きな魅力を感じます。
この画像のメッセージ(の一部)と同じ内容は、スマートフォンの売上増加と各種電子機器の売上減少をグラフ化すれば表せますが、それは人の心に響かないどこにでもある1枚のグラフになってしまいます。もちろん、グラフや図表のつくり方にも技術があり、工夫次第でメッセージ力を上げることはできます。しかし、ここまで雄弁な1枚をつくることはできないでしょう。
 
プレゼンテーション等でこういう画像を積極的に使いたいと思うのですが、問題は自分ではつくれないことです。こんな気が利いた画像は無理だとしても、多少でもメッセージ性の強いスライドをつくりたいものです。

なぜ、神楽坂マーケティング事務所なのか?


この記事の所要時間: 120秒 〜 220秒程度(913文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
そして、自分は神楽坂マーケティング事務所の代表でもあります。今回は、なぜ事務所をこの名前にしたのか説明します。実は深い理由(?)があるんです。
 

photo credit : 街画ガイド

 
昨年、自分は中小企業診断士として独立開業し、晴れて個人事業主となりました。
このとき必要になったのが「屋号」です。屋号なしでも開業はできますが、何だか締まりません。会社人間を長くやっていたせいか、所属先がないと落ち着かないのです。そこで、事務所を構えているわけでも従業員を雇っているわけでもないのに、取りあえず「職場っぽい名前」を付けることにしました。「代表」なのは一人ぼっちの事務所だからです。
 
最初に考えた屋号は佐々木中小企業診断士事務所でした。
変に格好つけた名前はうまくはまらないとかえって見っともないので、オーソドックスなネーミングがふさわしいと考えました。これで開業届を提出するつもりだったのですが、ふと考えたのが屋号の有効活用です。佐々木孝という中小企業診断士をより深く印象づけるために屋号を使えないか? そう考えました。
 
自己紹介をする時、自分の名前が佐々木孝であること、中小企業診断士であることと一緒に屋号を伝えます。このとき佐々木中小企業診断士事務所では、記憶に残る要素は

 ①佐々木
 ②中小企業診断士

の2つだけです。
 
屋号を神楽坂マーケティング事務所にすると、これに

 ③神楽坂
 ④マーケティング

が加わります。
 
他の商売同様、中小企業診断士にとって名前を覚えてもらうことはとても重要です。プラスアルファの要素が多いほど覚えられやすいのは間違いありません。2つ要素が増えることは大きな価値です。特に「神楽坂」にはいろいろな思い入れのある人が多く、話が広がります。今は、神楽坂マーケティング事務所にして良かったとつくづく思っています。
 
まあ、たったこれだけの話なのですが、こんなネーミング一つを取ってみてもビジネスではアイデアを考え出すことが効果を生みます。やっぱりビジネスは楽しいですね。