カテゴリー : 思考法

昼過ぎは何時まで? ― 専門用語の基礎知識


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1155文字)


世の中には専門用語があふれている。特定の学問分野や業界でのみ通じるテクニカルタームから、仲間内にしかわからない隠語、符牒の類まで。専門用語を「一部の人たちにしかわからない用語」と広くとらえれば、これにあてはまる言葉はたくさんある。
 
専門用語で厄介なのが、日常語をそのまま転用しているパターン。例えば、天気予報では「昼過ぎ」や「夜遅く」も定義された専門用語となるのだ。気象予報士の言う「昼過ぎ」は、「正午を少し過ぎたころ。」(『大辞林 第三版』)という意味ではなく、「○時から○時まで」と厳密に決まっている。これを知らずに天気予報を見ていては、勘違いの元になり兼ねないだろう。専門用語の世界は、案外罪深い。
 

 
続きを読む

「テロが起きたら、まず逃げろ」という現実論


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1514文字)


パリの同時多発テロをきっかけに、改めて世界中でテロの脅威が叫ばれている。各種テロ対策も更に強化されることが予想されるが、テロ撲滅は至難の業。残念ながら、今後とも一定確率でテロが発生すると考えるのがリアルだろう。
 
このような状況の中、テロが起きたときのガイドラインがCNNで紹介されていた(参考:まず「逃げろ」、テロが起きたらすべきこと 英ガイドブック|CNN)。テロ対策が充分な成果を上げたとしても、明日テロに巻き込まれてもおかしくないのが今の状態。テロ撲滅を声高に叫ぶよりも、このようなテロ発生時ガイドラインを共有することこそが、テロ対策の現実論のように思う。
 

escape

Photo credit: daliborlev / Foter.com / CC BY-NC-SA

 
続きを読む

「Facebookをやめると幸せになる」は本当か?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1897文字)


「幸せな人生望むならフェイスブックやめるべき」だそうだ。理由は「フェイスブックを使わずに1週間を過ごした人は、そうでない人よりも日々の生活に幸せを感じる傾向がみられた」ため。俗に言われる「SNS疲れ」を裏付けるような調査結果であり、Facebook人気に水を指すようなニュースと言えよう(参考:幸せな人生望むならフェイスブックやめるべき、デンマーク調査|AFPBB News)。
 
さて、この調査結果。Facebookを否定的に捉える材料として活用する向きもあるようだが、しばし立ち止まって考え直した方がいい。調査結果がニュースになるとまるで本当のことのように扱われがちだが、そうとは限らないからだ。「幸せな人生望むならフェイスブックやめるべき」は果たしてどこまで本当だろうか。
 

フェイスブック

credit: geralt via pixabay

 
続きを読む

マイナンバー通知カード、誤配して何が悪い!?


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1500文字)


その運用に不安の声も挙がっているマイナンバー制度。このマイナンバーを知らせる「通知カード」の簡易書留郵便で、誤配が起きた(参考:マイナンバー通知カードを誤配=千葉・浦安で、郵送開始以来初-日本郵便|時事通信)。「隣の部屋に住む人の分も重ねて2通手渡し」してしまったことが原因だという。
 
上では最初の誤配の記事を参考として挙げたが、誤配はこの後も各地で続いている。日本郵便は再発防止に努めるとし、総務省は日本郵便に対して厳重注意の行政指導を行なったようだが、その効果は限定的だろう。なぜなら、いくら努力しようと、いくら注意しようと、ヒューマンエラーは必ず起きるからだ。この誤配で日本郵便を責めても何も解決しないし、ましてや実際にミスをした郵便配達員を処分したところで責任転嫁にしかならない。多数の作業をすれば、一定の確率でミスが生じるのは当たり前だ。ミスが発生したことよりも、そもそもミスゼロを前提としていることに疑問を感じる。
 

 
続きを読む

「誰もやめようと言わない作業」を見直そう!


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1901文字)


アビリーンのパラドックスをご存知だろうか。その由来は、ジョージ・ワシントン大学のジェリー・ハーヴェイ教授が、7月の暑い最中にエアコンのついてない車で旅行したときの話だ。妻と両親と一緒にテキサスのアビリーンという田舎町を目指したのだが、実は誰もアビリーンに行きたいとは思っていなかったことが後からわかったという。出発前には全員がこの旅行に賛成していた筈なのに、本当は誰も望んでいなかったのだ。アビリーンのパラドックスとは、このように「誰もやめようと言わないため、誰も望まないことをしてしまう現象」のことをいう(参考:『ヤバい経営学』フリーク・ヴァーミューレン/東洋経済新報社/2013年)。
 

アビリーン

credit: skeeze via pixabay

 
誰もやめようと言わなければ、反対だと思っている人がいることに誰も気付かない。その結果、みんな「他の人はこの案を気に入っている」と思って、更に声を出しにくくなる。各人の気遣いにより、誰も望まないことをしてしまうところがパラドキシカルな訳だ。他人の顔色をうかがうという意味では、アメリカよりも日本で起こりやすいパラドックスのようにも思われる。
 
さて、このアビリーンのパラドックスはどこかしこに存在している。もちろん、ビジネスの現場も例外ではない。「誰もやめようと言わない作業」を見直すことは、企業の活力を保つためにかなり役に立つと考えている。
 
続きを読む