消費者は「価値」を見てモノを選ぶ
- 2012年 5月11日
- 投稿者 : 佐々木 孝
中小企業診断士の佐々木孝です。
さて、消費者は何を基準に商品を選ぶのでしょうか?
多くの人がまず最初に「価格」を挙げるのですが本当にそうでしょうか?
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「お客は価格しか見ていない」という経営者の方がいます。しかし、当然ながら「価格」だけが商品選択のポイントではありません。商品を買うときに「価格」はとても大きな要素ですが、その商品を購入することで手に入る「結果」の大きさも同じくらいに重要です。新しい商品を開発したり、商品の売上を伸ばしたりするときに考える「価値」は、「価格」と「結果」のバランス、すなわち「結果÷価格」がスタート地点です。
一歩踏み込み、消費者にとっての商品の「価値」を更に広げて考えることもできます。
加える要素のひとつは「アクセス費用」です。ある商品について良いブランドを知っているのに、近所のお店で売っていないため別のモノを買ってしまったなどという経験は誰にでもあるでしょう。モノを買うときにかかる「価格」以外のコスト、すなわち時間や手間を減らすことで商品の「価値」は向上します。
もうひとつの要素は「過程品質」です。少し言葉がわかり難いのですが、要は商品が完成するまでの過程にどのような特徴があるかです。「環境に配慮しています」とか、「うちの日本酒は〇〇の水を使っている」とか、「現代の匠がデザインした」とかですね。ターゲット顧客にあった「過程品質」を増やせば「価値」も増します。商品の「価値」を高めたいなら、この2つの要素を考慮することは欠かせません。
この話をすると、多くの人が「当たり前じゃないか」という反応をします。
それはその通りなのでしょう。でも、実際に売られている商品の中には「アクセス費用」や「過程品質」がまったく考えられていないものが数多く見られます。この2要素はわかっていても見逃しやすい要素なのです。
そこで、冒頭に掲載したシートをご用意しました。このシートを使って、自社の製品の【価値】について一度じっくりと考えてみることをオススメします。競合製品と較べてどうなのか、何が足りないのかなどを併せて考えることで、新しいアイデアが出ること請け合いです。