タグ : 行動経済学

「スマート印鑑」は売れるのか?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1701文字)


今度はスマート印鑑だそうだ。謳い文句は「持ち運びに便利な世界最薄0.34mmの携帯印鑑」。何せ、印鑑なのに本体(?)がないのだから画期的だ。本日より、東急ハンズなどで発売開始になっている。
 
さて、この「スマート印鑑」。かなりキャッチーな商品だが、「売れると思うか?」と問われると困ってしまう。正直に言えば、よくわからない。商品の持つポテンシャルの高さはわかるものの、これを利用してまで押印が必要な場面が思い浮かばないからだ。
 

hanko

 
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お問い合せ用メールアドレスを掲載しました。


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1844文字)


ホームページを見ていて何か問い合わせようと思ったとき、その手段が見付からずに困ることがある。電話番号はもちろん、メールアドレスも掲載されていないホームページが多いのだ。問い合わせフォームはあっても、使いにくかったり、余分な個人情報が必要だったりする。こういう問い合わせのしにくいホームページでは、せっかくコンタクトを取ろうと思った人も途中でくじけてしまうだろう。もしかすると、連絡先が掲載されていないことで新しいビジネスのチャンスを逃しているかも知れない。
 
そこで、ここささびずではお問い合わせ用メールアドレスを掲載することにした。メールアドレスはcontact@sasakitakashi.biz。このホームページについて何か質問などがあれば、是非ともお問い合わせいただきたい。
 

メール

Photo credit : Horia Varlan / CC BY


 
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座高測定廃止はもったいない?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1890文字)


文部科学省が学校の健康診断での座高測定を廃止する。検査項目の見直しを要請していた有識者会議からの報告を受けて、省令を改正する方針とのこと。廃止の理由は、座高測定の検査結果が「ほとんど活用されていない」と単純明快だ(参考:27年度にも座高測定廃止 学校の健診見直し 文科省|MSN産経ニュース)。
 
これまでなぜ座高測定をしていたかはよくわからない。座高の測定がはじまった当初は「内蔵がある上半身の発達を確認する」目的があったという説もあるが、本当にこんな目的だったのか、そもそも座高を測ることで内蔵や上半身の発達を確認できるのかは不明。「学校で使う机や椅子の高さ決定に使う」ためという説は理に適っているものの、生徒全員の座高を毎年測定する理由にはならないだろう。報告書で「ほとんど活用されていない」と指摘されているのだから、測定を続けていた理由は「誰も止めようと言わなかったから」が真相なのかも知れない。
 
さて、こういう測定廃止の取り組みがあると、必ずと言っていいほど「データの継続性を考え、安易に測定を止めるべきではない」という反論が登場する。しかし、これに説き伏されてはいけない。一理あるのは間違いないものの、そこにあるのはデータ活用に対する熟考ではなく、現状維持バイアスに基づく過剰な「もったいない精神」だからだ。
 

Photo credit : lowa Digital Library / CC BY-NC Photo credit : lowa Digital Library / CC BY-NC

 
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大学発ベンチャー調査と生き残りバイアス


この記事の所要時間: 330秒 〜 430秒程度(2002文字)


帝国データバンクが大学発ベンチャー企業の実態調査を行ない、その結果を発表した(参考:大学発ベンチャー、過半数が黒字経営|帝国データバンク)。調査結果を取り上げた記事もいくつか出たので、目にした方もいるだろう。
 
さて、このリリースでは「2012年の損益状況は、損益が判明している304社中166社(構成比54.6%)が黒字を計上」としている。見出しとなっている「過半数が黒字経営」を支えるデータだ。これを読むと、まるで大学発ベンチャーに挑戦した企業の半数以上が黒字化に成功したようだが、そうとは限らない。なぜなら、この調査結果には生き残りバイアスが存在しているからだ。
 

Photo credit : ekai / Foter / CC BY-NC-SA Photo credit : ekai / Foter / CC BY-NC-SA

 
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大雪とJRと後知恵バイアス


この記事の所要時間: 430秒 〜 530秒程度(2479文字)


先日、東京で雪が降った。
とは言え、「大雪の恐れ」という天気予報ははずれ、都心での積雪はほとんど見られなかったようだ。
 
このため、雪による直接的な影響は少なかった。一方で、大雪を警戒したJRが電車の本数を減らす間引き運転をしたため、この間接的な影響がかなりの広範囲に及んだ。報道によれば、不便な思いをした乗客からはJRの対応について不満の声も出たらしい(参考:首都圏で雪 ラッシュ時に間引き運転、大混雑の駅も|朝日新聞)。更には、気象庁に対して猪瀬直樹東京都知事からの横槍も入った(参考:猪瀬知事:気象庁を批判 6日の「大雪」予報が外れ)。
 
しかし、今回のJRの決定は正しかったと言える。
JRに対する批判の多くは、ただの後知恵バイアスに過ぎないからだ。意思決定が正しかったかどうかの判断は、決定時点の情報量で行なわれなくてはならない。結果が出てから、「その結果になることはわかっていた」という立場で批判する行為は、ナンセンスで恥知らずだ。
 
気象庁が大雪を予想したとき、そしてJRが間引き運転を決定したときにわかっていたのは、せいぜい大雪になる可能性が◯%、大雪にならない可能性が◯%という情報だろう。実際に起きる結果は一つしかないとしても、その一つが起きる前にはすべてが確率でしかあらわせないのだ。今回たまたま大雪にならなかったからと言って、気象庁の予報が間違っていたとは言い切れないし、JRの判断が不適当だったとも評価できない。大雪にならなかったので間引き運転の意味がなかったが、もし大雪になっていたら間引き運転が功を奏していた可能性も高い。今回起きた結果がすべてではないのだ。
 
事が起きてから、他人の判断をアレコレ言うのは簡単で魅力的だ。
しかし、これは後知恵バイアスであり、あまり褒められたものではない。
 

photo credit : showbizsuperstar via photopin cc

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