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究極の質問 この商品を友人に薦めますか?


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2045文字)


アンケートで顧客の声を知りたいとき、どんな質問をすれば良いだろうか。
顧客満足、次回購入意向、価格の妥当性評価、顧客が考える商品の長所/短所、そのジャンルの商品を選ぶときに重視するポイント、今まで購入したことのあるライバル商品、顧客の性別や年齢、・・・。知りたいことはいくらでもあり、アレも聞きたい、コレも聞きたいとなりがちだ。しかし、知りたいことをただ並べただけのアンケートをしても、その結果をビジネスに活かすのは難しい。「いろいろわかった」だけで、ビジネスを前に進めるヒントは一切得られないことになる。
 
アンケートを組み立てるときは、最も重視する「核にする質問」を一つ決めて、その他の質問をそれとの関連で捉えるとわかり易くなる。例えば、顧客満足を核の質問にして、これに影響を与える要因、これに影響を受ける要因を見ていけば話はシンプルだ。その上で、顧客満足を向上させるために、この指標に大きく影響を与えている要因を改善していく。もちろん、実際のアンケートづくりはそこまで単純なものではないが、考え方の筋道はこのようになる。
 
ただ、核にする質問をどう選ぶかが案外難しい。顧客満足で良いようにも思うが、それが購入意向につながらなければ意味がない。だからと言って購入意向を核にすると、「満足してない」のに仕方なく「次回も買う」お客が邪魔になってしまう。両方を核の質問にする手もあるが、今度は焦点がぼやけてしまい、二つの質問結果の使いわけが難しくなる。
 
今回紹介する「究極の質問」はこの悩みに応えるもので、具体的には次の質問文となる。

 ○○を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか

これ一つを聞くだけで良いというのだから、何とも魅力的ではないか。
 

質問

credit: geralt via FindCC

 
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先見せ動画広告は逆効果!?


この記事の所要時間: 410秒 〜 510秒程度(2347文字)


今年は「動画元年」と言われている。
こういうイメージ先行の言葉には注意した方がいいが、「動画元年」について言えば一理あるのも確かだ。動画の撮影や編集がスマートフォンなどで簡単にできるようになり、TwitterやFacebookも動画投稿に対応済み。ホームページに動画を組み込むことも難しくなくなり、今後その活用の幅が更に広がるのは間違いないだろう。今年が「元年」かどうかはわからないものの、このところ動画の活用が急速に進んでいることは実感している。
 
これに伴い、インターネット上で動画を広告に活用しようという取り組みも盛んになってきている。ホームページに動画広告が掲載されていることは既に珍しくないし、YouTubeなどの動画サイトには動画広告が付きもの。そして、つい最近ではニコニコ動画の先見せ広告導入が話題になった(参考:『ニコニコ動画』が動画再生前に30秒の動画広告を開始 プレミアム会員はオフに可能|ガジェット通信)。見たい動画を再生する前に出てくる、あのタイプの広告だ。
 
ただ、この動画広告。確実に広告を見せる有効な手段のようだが、出稿にはかなりの注意が必要になる。消費者の心の動きはそんなに簡単ではないからだ。
 

 
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広告と買い物の因果関係はまぼろしか!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1690文字)


原因結果の関係を考えるのは難しい。例えば、ある現象とある現象が連続して起きた場合、そこに因果関係があるように思ってしまいがちだが、必ずしもそうとは限らない。お酒を飲み過ぎて気持ち悪くなったとしても、ランチで食べた刺し身に当たっただけかも知れない。社長が交代して会社の業績が向上したら新社長の功績のように思ってしまうが、前任者の従業員教育がやっと花開いた可能性もあるし、市場環境が好転しただけとも考えられる。
 
これらの例を挙げるまでもなく、日ごろ何となく考えている因果関係にはかなりいい加減なものも多い。結果から原因を推測する話を聞いていると、「それ、違う!」と思うことがしばしばだ。日常生活でそこまで因果を突き詰めて考える必要がないというのもあるが、聞き流せない場合も少なくない。
 
同じような現象についてたくさんの事例を集めて、その関係を分析すれば多少はまともな因果関係を推測できるが、それとて完璧ではない。事例の集め方や捉え方で、結果は大きく変わってくるからだ。人は、起こった現象の原因を簡単に特定しようとするが、実際にはかなり難しい作業と言える。
 
さて、因果関係の誤解について、おもしろい記事を目にした。Webユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンの書いたインターネットでのアクティビティバイアスは、ユーザーの行動にムラを作る|U-Siteという記事だ。ニールセンはYahoo!とeBayのスタッフが書いた論文を取り上げ、広告と買い物の因果関係はまぼろしかも知れないと疑問を呈する。
 

Photo credit : alles-schlumpf / Foter / CC BY-NC-SA Photo credit : alles-schlumpf / Foter / CC BY-NC-SA

 
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セブンイレブンのコーヒーはどう買うの?


この記事の所要時間: 440秒 〜 540秒程度(2543文字)


セブンイレブンの100円コーヒーが売れているらしい。
先月、セブン―イレブン・ジャパンはこの「いれたてコーヒー」=「セブンカフェ」の販売目標を4割引き上げた。年間4億5000万杯、売上高にして450億~480億円。もはや数字が大き過ぎて、どのくらい凄いのかよくわからない。
 
実感できるレベルに噛み砕くと、450億円を単純に1万5千店で割って1店あたり300万円、1日に約8,000円。セブンイレブンの1店1日あたりの売上高は70万円弱なので、1%程度の売上増加を見込めることになる。最強コンビニが、こつこつ地道に売上を積み上げていっている感じだろうか(参考:100円コーヒー、販売4割増 セブンイレブンが計画上方修正|日本経済新聞)。
 
以前、コンビニやファーストフード店のコーヒー事業について、カフェ参入に本格コーヒーは必要ない!という記事を書いた。簡単にまとめると、カフェの競争軸は「快適さ」であり、これを充たせなければ「本格コーヒー」であっても新規参入は難しいだろうという内容だ。しかし、この見立てはかなりの見当違いだった。セブンイレブンの狙いは「カフェ」ではなく、「いつでもどこでも簡単に買えるコーヒー」にあったようなのだ。まさに「コンビニエンスなコーヒー」と言えよう。
 
だからこそ気になるのが「買い方がわからない」という指摘だ。
コーヒーをつくる機械はレジの横にあり、店員からは手の届かないところに位置している。そこにカップなどが置いてあるが、精算前に自分で勝手につくるのはおかしいし、カップだけをレジに持っていくのはどこか間抜けだ。レジで注文するにしても、そこにカップはない訳で、そのあと何がどうなるかわからない。「買い方がわからない」という声は自分のまわりでも数人から耳にしたし、2ちゃんねるでも盛り上がっている(参考:セブンのコーヒーの作り方分からないヤツwwww|飲食速報)。
 
もちろん、いい年した大人なのだから、欲しいなら聞くなり、試すなりすればいいのはわかっている。しかし、それが面倒くさい、億劫なのもまた確かだ。どうしても欲しい商品ならいざ知らず、「ちょっと飲んでみようかな」くらいだとこの「買いにくい」障壁は案外大きい。「また今度にしよう」、「缶コーヒーでいいや」となってしまう。
 
たとえ魅力的な商品でも、「買いにくい」が理由で売れないものは多い。
言い換えれば、「買いにくい」さえ取り除けば売れる商品もたくさんあることになる。どうして、こんな不幸な事態になってしまうのだろうか。
 

photo credit : ~*Leah*~ via photopin cc

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ジェネリック家電が売れる時代の原点回帰


この記事の所要時間: 440秒 〜 540秒程度(2579文字)


ジュネリック家電が売れているという記事があった。
 

今、“ジェネリック家電”が注目を集めている|週プレNEWS
特許が切れた医薬品(先発医療品)と同じ成分で別メーカーが作る薬を、ジェネリック医薬品(後発医薬品)という。効き目は同じなのに価格が安くなるため、最近は医師の処方にジェネリックを希望する人が増えている。これと似たような流れが、家電業界でも起こっているのだ。

家電製品の世界でも、あまり名を聞かないメーカーが製造する激安商品なのに、有名メーカーの人気商品に負けない性能を持つものが数多くある。〔略〕

テレビやHDレコーダーなどのAV機器やタブレットなどのITデバイスのほか、日常生活に欠かせない白物家電でも評判が広まりつつあるジェネリック家電。上質の製品を見極める目があればお金をかけずに生活向上できるだけに、ポイントを押さえて賢く使いたいものだ。

 
ここでジェネリックは「一般名称で販売される」「ノーブランド」の意味。ジェネリック医薬品と同様、「効き目は同じなのに価格が安くなる」ジェネリック家電が注目を集めているというのだ。記事では、家電量販店と家電メーカーの力関係に注目しているが、マーケティング視点で考えるとポイントは少し違ってくる。重要なのは、「最新機能が豊富なブランド家電」と「基本機能を抑えているジェネリック家電」の違いが、消費者に届いていない点だ。
 
現代においてマーケティングを考えるとき、消費者がマーケティングを知っていることを前提にする必要がある。マーケティングが導入された初期の時代と違って、うぶな消費者はほとんどおらず、多くの消費者は企業のマーケティング活動をさめた目で見ている。「またやってるよ!」の類だ。今どきの消費者は、メーカーが必要のない機能を追加することで商品価格を吊り上げようとしていることを知っている。商品の機能が増えたことを素直に喜ぶほど、消費者は単純じゃない。
 
そして、この記事を読んで感じるのは、手だれの消費者が「最新機能が豊富なブランド家電」と「基本機能を抑えているジェネリック家電」の違いに見向きもしなくなっている実態だ。メーカーが売り文句にする追加機能の多くがほとんど役立たないことに見抜いていて、そのことを隠そうともしない消費者像が見えてくる。
 
そんな時代にこれまで通りの戦略を実行しても、勝ち目がないのは自明と言えよう。
では、企業はどうしたらいいのだろうか。
 

photo credit : Magic Madzik via photopin cc

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