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有意差に価値はない・・・こともある


この記事の所要時間: 110秒 〜 210秒程度(805文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。

統計学に有意差という用語があります。
例えば、ある質問の「はい」の回答がグループAで30%、グループBで40%だったとしましょう。もちろん、この2グループの「はい」の比率には差がありますが、それはサンプリングによる偶然かも知れません。たまたま選んだ人たちがそういう回答をした可能性もあるのです。そこで、数学的にアレコレして意味があるかを判定することになり、「確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる」とされた差が有意差です。統計学を抜きに考えても、各グループが10人だったら「偶然でしょ」、各グループが1,000人だったら「意味があるんじゃない」となるでしょう。これを数学的に判定するわけです。

観測された差が有意なものかを判定することは大切です。意味のない差に注目しても何も生まないからです。本来的には、データからモノを考えるときは有意差だけを対象にしなければなりません。
 

photo credit: 写真素材 足成 photo credit: 写真素材 足成

 
ただし、注意が必要なのは有意差に常に価値があるとは限らないということです。
ここで言う有意差は統計的に有意なだけに過ぎません。ある商品の購入意向率に男女で有意差があった場合、その差が男性30%と女性70%のような大差だったらそこに価値を見出すことが可能です。マーケティング戦略も変わってくるでしょう。しかし、有意差があっても男性15%女性20%だったらどうでしょう(サンプル数を増やせば小差でも有意になります)。統計的に有意な差はあっても商売には役立たない程度の差でしかありません。そこに使える価値はないわけです。
 
データに差があることと、その差に価値があるかどうかは別の問題です。データに有意差があった場合でも、そこに社会的、マーケティング的な価値があるかどうかを考えることが重要になります。

マーケティングとは「売れる仕組みをつくること」


この記事の所要時間: 030秒 〜 130秒程度(525文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
プレジデントオンラインで、早稲田大学商学部・ 恩蔵直人教授の連載がはじまりました。「実例から学ぶマーケティング概論」というタイトルで、第1回「進化する「売れる仕組み」~マーケティングが辿ってきた道」では、マーケティングの定義や歴史が取り上げられています。
 
この中のマーケティングの定義についての説明が非常にわかりやすく端的だったので、「使える!」と思って早速ペラいちにしました。

マーケティングとは
ファイルのダウンロードはココから

 
マーケティングを「売れる仕組みをつくること」とする定義はこれまでも見たことがあるのですが、「実務家による誤解」や「アカデミックな定義」と対比してるところ、3ステップに具体化しているところがポイントです。この1枚を使って「マーケティングとは何ぞや?」を説明すれば、誰もに“腹落ち”してもらえるように思います。
 
さて、このブログで何度か書いていますが、「使える!」と思ってもそれを形にしておかないと後から活用できません。良いと思うモノがあったら、迷うことなく自分が使えるツールにするのこと大切です。
 
今回はそれを実践しようと、スライドにしてみた次第です。

スキルをセンスと勘違いしてませんか?


この記事の所要時間: 10秒 〜 20秒程度(791文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
一橋大学大学院の楠木建教授が、プレジデントオンラインで『楠木建の「戦略読書日記」』を連載しています。内容はビジネス誌にありがちな「すぐに役立つビジネス・スキル」ではありません。経営者の仕事に必要な「戦略センス」を磨くための本が毎回紹介されています。
 
その連載1回目『ストーリーとしての競争戦略』で、筆者はスキルを「その内容の定義が社会的に定着して」いて「それを身につける道筋もある程度出来上がっている」もの、これに対してセンスを「千差万別」で「試験の成績や資格の取得で人に見せることもできない」ものとしています。
 
その上で、

スキルとセンス、どちらも大切である。ただし、両者はまるで異なる能力であり、区別して考えることが大切だ。

誰かがつくった戦略の分析ならばスキルでなんとかなる。分析フレームワークもたくさんある。しかし、すでに存在している戦略を分析するということ、自らオリジナルな戦略ストーリーをつくるというのは、まるで違う仕事である。

だから今の時代、多くの人がスキルに傾く。センスがないがしろにされる。会社の中でもスキルばかりが幅をきかせるようになる。

などの指摘をしています。
 
これを読んで日ごろ自分が感じている違和感の正体がわかったように思いました。
スキルを身に付けただけでセンスまでも獲得したと勘違いしている人を見て、「あれっ?」と思うのです。まるで人間の能力は一つの軸で構成されていて、スキルの延長にセンスがあるように考えている人もいます。スキルだけを持った人間が、センスが要求される仕事を「できるつもり」になった場合、待ち受けているのは不幸な結果でしょう。
 
スキルとセンスは別物です。
自戒の意味も込め、この違いには気を付けなくてはいけないと思った次第です。