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ビジネス書が(あまり)役立たない理由


この記事の所要時間: 350秒 〜 450秒程度(2150文字)

●A社は「○○○」をして成功しました。
●B社は「○○○」をして成功しました。
 ↓
●あなたの会社も「○○○」をすれば成功します。

これは、ビジネス書などでよく見掛ける論理の流れだ。要は、「成功者の真似をすれば成功します」という論法。「○○○」には、大なり小なりビジネスのやり方が入る。ハーバード流交渉術でも、Facebook活用でも、店頭の手書き立て黒板でも、何でもいい。当然のことながら、実際の本ではもう少しお化粧した書き方をしているが、突き詰めて行くと書いてあることはこのような論理の流れだったりするのだ。
 
「成功者の真似をすれば成功します」は一面の真理だが、無理がある論法なのも確か。同じ「○○○」をして成功できなかったC社やD社があるかも知れないし、成功の要因は「○○○」以外の他の何かだった可能性もあるからだ。この安易な論理の流れが、ビジネス書をあまり役立たないものにしているように思えてならない。
 

ビジネス

credit: geralt via pixabay

 
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大袈裟なタイトルは程々に!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1789文字)


最近、大袈裟なタイトルの記事が目に余る。
どこのホームページでもさまざま記事へのリンクが表示されるが、そのタイトルが何とも扇情的なのだ。今に始まったことでないとはいえ、加速度的におかしくなってきている印象。近ごろは、大新聞の記事タイトルでさえ怪しいものがある。「釣り」とまでは言わないが、かなり「狙っている」感じを受けることは多い。
 

釣り堀

credit: koyaman3422 via FindCC

 
どんな記事であろうと、記事を書いたら少しでも多くの人に読んでもらいたいのは当然。そのためにキャッチーなタイトルを付けるのは、何らおかしなことではない。しかし、モノには限度がある。針小棒大、羊頭狗肉のタイトル付けを繰り返していてもろくな結果は生まれないだろう。大袈裟なタイトルを付けることは魅力的だが、だからこそ程々にする必要があるのだ。
 
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データ分析は魔法の道具?


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1215文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
企業にとって、新しい商品や技術を開発したとき、そこに注意を集めるためその商品、技術による効果や効用を大きくアピールすることは重要です。まず興味を持ってもらわないことには、関心や欲求、そして購買にはつながらないからです。
 
このとき気を付けなくてはいけないのが、効果や効用を過剰に宣伝してしまう過ちです。少しでも多くの人にアピールするため、たとえば、ごく稀にしか起きないような成功を常に達成可能なことのように伝えてしまい、墓穴を掘ることになります。
 
満足は期待と実現された効果・効用との差分ですから、期待値を高め過ぎれば不満足な結果となり、リピートは望めません。短期的には、過剰な期待によって多くの利益を得られるかも知れませんが、その永続は望めないのです。
 
「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われるでしょう。しかし、ビジネス手法についてはこれが年中繰り返されています。
 

photo credit : Hadi Fooladi via photo pin cc

 

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期待値重視は状況次第


この記事の所要時間: 230秒 〜 330秒程度(1535文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 


投資先の選択は期待値で?

突然ですが、皆さんだったら次のどちらに投資しますか。
投資額は同じで、「両方に投資」はできません。
 

 A.70%の確率で1億円儲かる事業

 B.30%の確率で10億円儲かる事業

 

photo credit : Julia Manzerova via photo pin cc

 
教科書的に考えるなら、確率と儲かる金額を掛け合わせて算出できる期待値を比較します。結果はAが70%×1億円=0.7億円、Bが30%×10億円=3.0億円なので、期待値の高いBに投資するのが正解です。先日来取り上げている『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ/ダイヤモンド社)も、確率より期待値を重視するよう勧めます。人は成功することを求めるがあまり確率優先で考えてAを選んでしまい、「正しい判断ができていない」という指摘です。これを正せばもっと儲かるし、ライバルのこの歪みを突けば相手を出し抜けることになります。
 
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金環日食は期待はずれに終わる!


この記事の所要時間: 110秒 〜 210秒程度(874文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
今月21日、太平洋側の広い地域で金環日食が観察できます。
テレビや新聞で取り上げられることも多く、Googleでの検索数も急上昇しており、どこかしこで「金環日食を楽しもう!」という期待が高まっているようです。
 

「金環日食」のGoogle検索数推移

 
さて、世間が金環日食に向けて盛り上がっている中、気になるのが天文ファンの落語家・柳家小ゑん師匠のこの発言です。どうやら、

 「金環日食は歴史を変えない」

らしいのです。
 
理由は簡単です。
金環日食では太陽が完全に隠れるわけではないのであまり暗くならないのです。天文学的には珍しい現象なのでしょうが、わざわざ観察しようとしない限り気付かないかも知れません。紀元前585年、古代ギリシャの哲学者・タレスが日食の発生を予言したことで、長年に及ぶ戦争が終結したと言われています。つまり、歴史が変わりました。でも、これは天空も大地も暗くなる皆既日食に人々が驚いたからです。暗くならなくては、多くの人に衝撃を与えることはできません。そこで、「金環日食は期待はずれに終わる!」と予言(?)したわけです。
 
さて、ここで話題を強引にマーケティングに近寄せますと、「期待のコントロール」というテーマになります。ビジネスを成功させるためには、常に消費者の期待を超えた製品やサービスを提供することが求められます。このコントロールに失敗すると、しっかりした商品を提供しながら、消費者から「なんだ、こんなモノか!」と思われてしまい不幸な結果を招くことになります。
 
具体的な商品を例に説明すると話がわかりやすいのですが、これは角が立ちます。そこで、典型的な例として「世界三大がっかり」を挙げておきましょう。シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫の像、ブリュッセルの小便小僧です。あまりに有名なので期待をして見に行くと、あまりの小ささにがっかりするわけです。
 
皆さまも期待値のコントロールにはご注意ください。